福島原発に関する日本政府への申し入れ

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福島原発に関する日本政府への申し入れ

2011年3月18日
原子力資料情報室

福島原発では、極めて深刻な事態が続いています。現状では、放射能が大規模に放出されるような事態には至っていませんが、今後、そのような最悪の事態が生ずる可能性があります。その具体的な事象は、原子炉水位のさらなる低下による核燃料の溶融(メルトダウン)、大規模な爆発、使用済み燃料プールからの放射能大量放出などが考えられます。
事故以来、私たちには「何キロまで離れれば安全か」という問い合わせが殺到しております。政府が設定している現在の避難範囲では、不十分なことは明らかです。

 私たちは、このような状況をふまえて、次の5点を申し入れます。

1、国内外の総力を結集して、事態の悪化を最小限に抑えるために、最大限の努力をしてください。

2、各原発の圧力容器や格納容器、燃料プールなどにおけるパラメータ(温度・圧力・水位など)をリアルタイムですべて公開してください。機器破損などにより測定できないパラメータがあればそのことも明らかにしてください。

3、発電所内の放射線レベルの情報が決定的に重要です。常設モニタを複数設置し、そのデータをオンラインで情報公開してください。また、発電所内の状況をリアルに把握するために、監視ビデオを複数設置し、常時情報公開してください。

4、福島県内外各地の放射線モニタリングポストのデータを集約し、放射能の強さと拡がりを把握し、さらにその予測シミュレーションを行い、結果を速やかに公開してください。

5、防災指針における予測線量の求め方など、現在行っている避難範囲設定の根拠を明らかにしてください。今後どのような予測や考え方にもとづいて避難範囲を設定するのか、明らかにしてください。

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