シン首相来日にあたり、対インド原子力協力に関する要請

 10月21日から23日にかけて、インドのマンモハン・シン首相が来日され、22日に麻生首相と会談することが予定されています。

 去る9月6日の原子力供給国グループ(NSG)の臨時総会において、インドを例外扱いとする声明が採択されました。これを受けて、インド政府は、アメリカとフランスとの原子力協力協定を結びました。今回の来日の際、シン首相は同様な原子力協力を日本にも要請するものと思われます。

 全国の反核平和を求めるNGO・市民団体は、インドの例外扱いに反対するよう、日本政府に繰り返し要請してきました。シン首相の来日にあたり、日本政府のこれまでの立場を踏まえ、「NPT加入とCTBTの署名・批准を行わない限り、インドに対して原子力協力を行わないことを明確にする」ことを、求める下記の要請書を内閣総理大臣および外務大臣に送りました。

連絡先

フィリップ・ワイト
原子力資料情報室
電話 03?3357?3800
ファクス 03?3357?3801

内藤雅義
東神田法律事務所
電話 03-5283-7799
ファクス 03-5283-7791


シン首相来日にあたり、対インド原子力協力に関する要請

2008年10月20日

内閣総理大臣 麻生太郎  様
外務大臣   中曽根弘文 様

 10月21日から23日にかけて、インドのマンモハン・シン首相が来日され、22日に麻生首相と会談することが予定されています。

 インドは、核拡散防止条約(NPT)体制の外で核実験を行い、核兵器を保有していたことから、国際原子力機関(IAEA)による包括的保障措置を受けない国との原子力取引を禁じた原子力供給国グループ(NSG)のガイドラインにより、長らく、国際的な原子力取引ができない状況にありました。ところが、アメリカのブッシュ政権が、インドとの原子力協力を行えるよう強く働きかけ、去る9月6日のNSGの臨時総会において、インドを例外扱いとする声明が採択されるに至りました。これを受けて、インド政府は、アメリカ、フランスと同様に、日本政府にもインドに対する原子力協力を要請するものと思われます。

 しかし、日本政府はこれまで繰り返し、インドにNPTへの加盟と包括的核実験禁止条約(CTBT)への署名を求め、NSGのガイドラインの変更にあたっても、インドに同様の要求をしたと述べております。

 ついては、日本政府のこれまでの立場を踏まえ、NSGのガイドラインの変更にかかわらず、NPT加入とCTBTの署名・批准を行わない限り、インドに対して原子力協力を行わないことを明確にするよう、強く求めます。

賛同団体(50音順):

核兵器廃絶市民連絡会
連絡責任者内藤 雅義

核兵器廃絶ナガサキ市民会議 
代表土山 秀夫

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
共同代表 岡本 三夫 河合護郎 森瀧春子

原子力資料情報室
共同代表伴 英幸

原水爆禁止日本国民会議
議長市川 定夫

原水爆禁止日本協議会
事務局長 高草木 博

世界平和アピール七人委員会
事務局長小沼 通二

日本原水爆被害者団体協議会
事務局長田中 照巳

日本YWCA
会長石井 摩耶子

連絡先:
フィリップ・ワイト
原子力資料情報室
〒162-0065 東京都新宿区住吉町8?5曙橋コーポ2階B
電話:03-3357-3800 FAX:03-3357-3801

内藤雅義
東神田法律事務所
〒101-0053 東京都千代田区神田美土代町11?8SKビル2階
電話:03-5283-7799、FAX:03-5283-7791