【原子力資料情報室声明】 蒸気もれの玄海原発3号炉をいますぐ止めて、総点検を

NPO法人原子力資料情報室は九州電力玄海原発3号炉の蒸気漏れ問題について本日、以下の声明を発表いたしました。


蒸気もれの玄海原発3号炉をいますぐ止めて、総点検を

2018年4月3日

NPO法人原子力資料情報室

 九州電力の玄海原発3号炉(加圧水型炉、電気出力118万kW)で、3月30日19時ごろ、蒸気もれがおきているのをパトロール中の作業員がみつけた。玄海3号炉は、3月23日に原子炉を起動したあと、25日からは発電を開始し、蒸気もれがみつかったのは75%の電気出力で運転中のときだった。

蒸気もれが起きた箇所は脱気器の空気抜き配管で、原子炉は起動したまま、発電を停止して配管の保温材をはがして点検がおこなわれていた。脱気器の屋外箇所を点検したところ、空気抜き管の1本に長さ13ミリ、幅6ミリほどの貫通孔がみつかった。脱気器は3Aと3Bの2基があり、それぞれに8本の炭素鋼でできた空気抜き管があり、発電用タービンからのもどってきた水(復水)の中の酸素などを、蒸気といっしょに大気中に放出する働きをしている。

貫通孔は、脱気器3Bの第5空気抜き配管に発生していた。九州電力は、貫通孔がみつかった配管で、外装板・保温材にサビや変色が起きており、配管表面にびっしりとサビができている様子を4月2日に公開した。雨水が保温材の中に浸入し、配管の外側から腐食がすすんでいったもの、と九州電力は原因を推定している。九州電力は16本の空気抜き管を取り替えると発表している。

九州電力は二次系の設備であるから安全性を軽視しており、十分計画的な点検をおこなってこなかったのではないか。原子炉を止めずに点検をすすめて対策をすませようとしているところにも、九州電力の安全軽視の姿勢が表れている。

九州電力は、玄海3号炉の原子炉をいますぐ止めて、総点検すべきだ。

■参考資料

原子力規制庁・被規制者との面談資料 4月2日 玄海原子力発電所3号機 脱気器空気抜き管からの微少な蒸気漏れについて 概要  資料1

九州電力 4月2日 玄海原子力発電所3号機 脱気器空気抜き管からの微少な蒸気漏れ点検状況について