検証 福島第一原発事故

基本情報

編著 原子力資料情報室編
発行 七つ森書館
発行日 2016/4/26
定価 5500
会員価格 5000
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概要

福島第一原発事故から5年。原発再稼動と福島の避難指示解除が進む今日、事故をどこまで教訓にできているのでしょうか? 本書では、事故の原因、原発震災がもたらしたもの、いま起きていることを考えます。そして、事故の全体像を検証して、私たちが何をしたらよいか、を考えます。

追加情報

もくじ

はしがき 松久保肇

第1章 事故はなぜ、どのように起きたのか
 1 福島第一原発1・2・3・4号炉で起きていたこと 上澤千尋
 2 福島第一原発5号炉・6号炉で起きていたこと 上澤千尋
 3 原子力施設の被害・事故の状況──女川、東海第二、東通、六ヶ所、福島第二 上澤千尋

第2章 事故処理の課題
 1 事故処理計画とその体制 松久保肇
 2 汚染水問題 澤井正子
 3 核燃料と燃料プール等の状況 澤井正子

第3章 事故に至る歴史
 1 福島原発事故は建設前から準備されていた 西尾漠
 2 津波対策の方針転換 海渡雄一

第4章 避難と帰還政策
 1 飯舘村民ADR集団申立 原発事故におけるADRの意味と展望 保田行雄
 2 帰還促進政策と避難者の切り捨て 満田夏花
 3 避難生活
   ・原発事故から丸5年が過ぎた私たちの暮らし 本田淳子
   ・東京電力福島第一原子力発電所事故による村の崩壊 伊藤延由
   ・まもなく五年が過ぎる 古川好子
   ・国や行政に翻弄された5年 酒井政秋
   ・居住、避難、帰還、あらゆる被害者のつながりを求め続けて 大賀あや子
   ・被曝か貧困か──自主避難者に迫る選びようの無い選択 中手聖一
 4 あの時、福島で生きていたこと 平山瑠子
 5 帰還政策から避難終了政策へ──福島復興政策の5年間を振り返る 除本理史
 6 福島第一原発事故後のリスク・コミュニケーションの教訓 後藤忍

第5章 放射能汚染状況
 1 放射性物質の放出・拡散と陸上部分の汚染の広がり 澤井正子
 2 飯舘村住民の初期外部被曝量の見積もり 今中哲二
 3 海の汚染──海水、底質 湯浅一郎
 4 河川・湖沼の汚染 湯浅一郎
 5 食品の放射能汚染および検査 谷村暢子
 6 生物への影響 伴英幸

第6章 除染・除染廃棄物
 1 除染対策の問題点 藤原寿和
 2 事故由来放射性廃棄物対策(福島県内) 藤原寿和
 3 事故由来放射性廃棄物対策(福島県外) 藤原寿和

第7章 被曝労働
 1 被曝労働問題に関する取り組み 飯田勝泰
 2 除染という被曝労働 なすび

第8章 住民被曝、その影響
 1 福島県民健康調査「甲状腺検査」 松久保肇
 2 健康相談会をふり返る 山田真

第9章 福島事故がもたらしたもの
 1 福島原発事故後の原子力政策 西尾漠
 2 防災・避難計画は福島事故を経て改悪された 末田一秀
 3 福島原発事故のコスト 松久保肇

第10章 福島事故と海外の脱原発運動
 1 福島原発事故の影響がもたらした韓国脱原発運動の大きな成果 高野聡
 2 市民の連帯がサンオノフレ原子力発電所を廃炉へ追い込んだ トーガン・ジョンソン