7月早々、「石炭 火力休廃止」の大見出しが各紙に踊った。3日の閣議後記者会見で梶山経済産業大臣が「非効率石炭火力のフェードアウトに向けた検討」を表明したものだが、読売新聞は2日に報じていた。
石炭火力の休廃止でなく、高効率石炭火力(ヨーロッパなどでは禁止対象)へのリプレースであり、なおかつ非効率石炭火力についても「価格の点であるとか企業の経営であるとかという中で、いろんな議論がまだ各論では出てくる」そうで、「エネルギー政策転換」とは、とても言えない。
記者会見で梶山大臣は廃止される非効率石炭火力の代替を問われ、「更新中の高効率の石炭火発もございます。そして、再稼働に向けて、今、安全審査であるとか、その安全審査後の整備をしている原子力発電所もあります」と答え、図に乗った4日付読売新聞の「社説」は「石炭火力の削減を決断した以上、政府が責任を持って原発の再稼働を後押しする必要がある」とのたまった。しかしそれこそ、現実を無視した主張だろう。
石炭火力も原発もゼロに向けて、地に足の着いた真の「政策転換」が求められている。