「風車」2016年6月号
高浜原発1、2号機の運転期間を60年に延長する認可が出されようとしているという。5月末現在で1号機は営業運転開始から41年超、2号機は40年超となっている。
一方、運転期間延長先進国のアメリカでは、延長はしたものの早期に廃炉とする動きが加速している。6月2日にはクリントン原発1号機とクァド・シティーズ原発1、2号機の早期廃止が発表された。フォートカルホーン原発1号機の早期開始について、6月16日の所有会社取締役会で票決される予定だ。フィッツパトリック原発、ピルグリム原発1号機の閉鎖日が、それぞれ2月と4月に正式決定されている。
いずれも41年から46年と、10年以上残しての早期廃止だ。延長されていないクリントン原発は、30年での廃炉となる。そもそも実績をみれば、ロシアの小型原発を別とすると、未だ47年以上運転された例は、世界のどこにもない。
アメリカでの早期廃止は、自由化の下での電力供給オークションで落札できない、できても低価格で赤字となる、規制強化でコストが高まっているなど、日本とは事情が違う、と説明する向きもあるが、事故続きの廃止もある。日本のほうが、運転が差し止められる公算も大きい。延長のための莫大なコストと大事故の危険性のツケを負わされるのは、ご免こうむりたい。