コラム「風車」2015年10月

「風車」2015年10月号

今夏の電力需要のピークは、8月7日に発生した1億5242万kW強(北海道から九州までの9電力会社の合成値)だった。昨年より115万kW近い増である。

九州電力単独では前日の6日にピークを迎え、1500万kWと昨年より22万kW弱下回った。川内原発1号機(89万kW)の再稼働を強行した後は、1300万kWを超えた日はわずか1日。再稼働はもとより中部・中国両電力からの融通(ピーク時61万kW)も要らなかった。

さて、9月18日、記者会見をした電気事業連合会の八木誠会長は、離脱需要(新電力への切りかえ)に「かなり危機感を持っている」と語った。24日付電気新聞によれば「今夏も気温は高かったが、需要は前年に比べて伸びていない。燃料市場の動向を受けてお客さまが自家発電を増やしたことと離脱が要因だと思う」と。9月5日付東京新聞は、約1500万kWが大手電力会社から離れたと報じている。

先に見た九州電力1社分の需要とちょうど同じ数字だ。他方、9月3日付朝日新聞は、9電力会社のピーク需要の1割を太陽光発電が担ったという。九州電力の「今夏の需要実績について」(9月30日)では、4月時点での見通しに比べ「風力・太陽光供給力の増」が89万kWあったとしていた。これもどこかで見た数字と思ったら、川内原発1号機の出力だった。