コラム「風車」2015年8月

「風車」2015年8月号

決定された「エネルギー・ミックス」。2030年度の電源構成では原子力が20~23%という。需要想定は過大だから、発電量が見通しを下回って、原発比率は相対的に高くなるだろう。それでも、およそ現実的な数字とは思えない。

運転期間40年を厳守すれば、30年度中に超えることなく残る原発は18基。建設中の3基は新増設でないと強弁して加えても21基である。そのすべてが設備利用率100%でも、見通しの数字には届かない。敷地内や近傍の活断層評価や運転差し止め判決が確定したりすれば、さらに減ることになる。

新増設は、政府は考慮していないという。しかし電気事業連合会の八木誠会長は「必要になる」としている。新増設を考慮するにせよしないにせよ、40年超運転は織り込み済みらしい。

それはごまかしだ、老朽原発の40年超運転よりリプレース(建て替え)をすべきだ、と盛んに主張しているのが、東京理科大の橘川武郎教授だ。そのほうが安全性が高まる、ともっともらしい。リプレースは簡単に実現せず、原発を減らすのに貢献できるかもしれない。ただし、40年超運転をしなければの話である。政府や電力業界に楯突いているようでいて、実は40年超運転+新増設への地ならしにしかならない。

橘川流「上手な脱原発」論は、それこそごまかしだらけだ。