コラム「風車」2015年6月

「風車」2015年6月号

高レベル放射性廃棄物の最終処分に関し、全国の自治体向け説明会を「連絡会」の名称で5月25日から秘密裡に始めていたことが明るみに出た。7月1日まで39都道府県での開催が決まっている。青森や福島、沖縄の名はなく、「別途調整中」なのだとか。北海道では、なぜか3回も開催される。

主催は経済産業省で、総務省が協力をしている。5月22日の最終処分関係閣僚会議では、経済産業大臣の説明には言及がなく、総務大臣が自慢げに「協力」を連呼していた。市町村には、あらかじめ情報提供を受ける担当者の登録が依頼されており、登録がないところは総務省の連絡網の連絡員を担当者として、同省地域力創造グループ地域政策課から「ご出席のお願い」を送り付けたという。参加申し込みの締め切り日までに申し込みがほとんどなかったため、自治体に強い総務省の出番となったらしい。

延期した締め切り日の前日にも、非公開を強調した電子メールで再度呼びかけたそうだ。「非公開にしたのは参加自治体が処分場誘致に関心があるとの誤解を受けないように」と言うが、関心をもって貰わないなら何のための説明会なのか。

「国が前面に」と喇叭を吹きながら、実は本気で関心をもたせる気概もない。裏でこそこそ根回しをして後は強権でと、進歩が無いなあ。