「風車」2014年4月号
河野太郎参議院議員のメールマガジン版国会日記『ごまめの歯ぎしり』3月17日号が、原発停止による火力発電燃料費増について経産省の「説明を聞いているうちに、笑ってしまう」と書いている。
なにせ「2013年度に、福島第一原発の1号機から6号機が動いているという前提なのだ」。08年度~10年度の原発の発電量の平均値を、原発停止がなければ発電できた量と考えて、13年度の実際の原発の発電量との差をすべて火力発電で焚き増したら3.6兆円の増加になるという。そんな、笑ってしまう数字を「独り歩きするように説明してきた」のだ。
実績のデータをみれば、節電などによって、円安の影響を考慮に入れてなお、燃料費の増は、ずっと小さい。「2.2兆円との試算もある」と、3月19日付日本経済新聞のコラム「大機小機」は指摘し、原発を再稼働させればそのぶん経常収支は改善するにせよ「それは経常収支を底上げするだけで経常収支のトレンドを変えるほどの影響はない」と喝破する。それなら「原発を再稼働してもしなくても、日本経済の将来展望は大きくは変わらない」と、ここでも危機煽りの独り歩きが冷静に諭される。
経産省にしても、3月10日にまとめた今冬の火力発電の計画外停止に酷使の影響は見られずと、否定できない事実には屈服した。4