コラム「風車」2014年1月

「風車」2014年1月号

総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会が12月に「エネルギー基本計画への意見」をまとめた。6日に意見公募に入った時には「(案)」が付いていたのに、17日になると外されてしまう。

前代未聞のめちゃくちゃぶりだが、そもそも基本問題委員会で議論してきたのを受けて、当時の民主党政権が「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」と政策決定したのを不満として委員長が以後の委員会招集をサボタージュしたのも前代未聞。さらに、政権交代を待って委員長はそのままに脱原発派の委員を減らした別の場をつくって議論をまとめたのも、もちろん前代未聞である。

また、従来は「エネルギー基本計画案」としてまとめ、ほぼそのまま政府の計画として閣議決定されてきた。今回は「意見を基にして新たなエネルギー基本計画を決定することを強く求める」とし、「エネルギーミックス等の策定など」は政府に委ねることを、17日の修正でわざわざ付け加えた。原発をベース電源として位置づけ、再稼働を進める記述はあるが、政府のほうでより明確に原発推進を打ち出しても結構ですよ、ということなのだろうか。

この「意見」が原発推進をリードしているところは一つもない。政府の姿勢をなぞっただけだ。まともに批判する気も起こらない。