第6次エネルギー 基本計画案に「エネルギー政策の基本的視点(S+3E)の確認」とある。S+3Eとは、「エネルギー政策を進める上の大原則としての、安全性(Safety)を前提とした上で、エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上(Economic Efficiency)による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合(Environment)を図る」ことを言うのだそうだ。
まったく同じ説明が第5次エネルギー基本計画にもあるが、そこでは3E+Sとされている。9月3日付電気新聞で、エネルギーアナリストの大場紀章氏が言う。「S+3Eは従前の3E+Sから順番が入れ替わったが、こうした小手先ではなく根本の見直し時期に来ている」。電気事業連合会や経団連などでは以前からS+3Eと言っており、経済産業省が追いついた形だ。もっとも、いずれも口先・小手先に変わりはない。
そもそも福島原発事故前の第3次計画までは3EだけでSは影も形もなかった。8月31日付電気新聞では、日本エネルギー経済研究所の寺澤達也理事長がいわく「強く思うのは、経済成長の視点を忘れてはいけないということ。S+3Eではなく、『S+3E+G』という観点から議論する必要がある」。
Sは、かくも軽い。