「風車」2009年9月号
関西電力は8月19日、高浜3、4号でのプルサーマル計画におけるMOX燃料の製造状況についての発表を行なった。仏メロックス社で製造した燃料ペレットの一部が同電力の自主基準にパスせず、使用しないことにしたという。
そのため3、4号8体ずつとしていた燃料集合体の製造ができなくなり、4号は4体に変更する。減らされた4体はウラン燃料に替わることとなるが、燃料の配置変更などは明らかにされていない。そもそも何個のペレットが、どんな基準に、どれくらい適合していなかったのかという最も肝心な情報も隠されたままだ。
20日付の福井新聞には「メロックス社は『使用可能』と説明したが、より詳細なデータの提供を拒否されたため、品質を確認できないと判断し使用中止を決めた」とあった。関電もデータを持っていなくて、品質保証がどうできるというのか。他の電力会社についても同様で、玄海他の燃料も品質が保証されているとは言えないはずだ。
自主基準の「自主性」も怪しい。原子力安全・保安院原子力発電安全審査課の資料には「メロックスから緩和に対して強い要請があっ」て規定値を緩めたと何ヵ所にも書かれていた。自主基準また然りだろう。それでもなお守れなかった上に、データを秘匿して「使用可能」と言い張るのだ。信用できるわけがない。