(賛同募集)六ヶ所:ガラス固化問題保安院への要望書

六ヶ所再処理工場のガラス固化再開試験における「流下停止事件」に関する原子力安全・保安院への要望書 への賛同団体・賛同個人になってください

 去る7月2日、六ヶ所再処理工場で再開したA溶融炉のガラス固化試験は、わずか半日で失敗に帰したことが明らかになりました。溶融ガラスの流下停止という、まったく予想もしなかった事態が発生したためです。もし回復できない原因によるものであれば、このA溶融炉は使用不能となり廃炉にせざるを得ません。
 しかし日本原燃は、8月19日公表の「対応状況」で、原因調査の範囲を意図的に限定しながら「復旧作業」は急ぐという、スケジュール優先の姿勢を見せています。流下停止の原因にかかわる物質の成分調査などは一切行おうとしていません。他方では、燃料のせん断や放射能放出などは相変わらず継続しています。
 そのため、別紙の原子力安全・保安院宛ての要望書を提出したいと考えます。ぜひ賛同団体および賛同個人になっていただくよう呼びかけます。この呼びかけ文と要望書はメールなどで次々と広げていただくよう期待しています。その間に学習会や討論会なども行い、多くの人々の声を集めましょう。

【要望書はこちら】

◆賛同団体、賛同個人について
・賛同団体、賛同個人とも、名前と都道府県名を記入してください。
・賛同団体、賛同個人とも名簿を保安院に提出します。賛同団体はホームページなどで公表します。しかし、賛同個人については数だけを公表し、個人名はホームページなどではいっさい公表しません。この点、あらかじめご了解をお願いします。

◆要望書の提出日及び賛同募集の締め切りについて
・提出日は、10月初旬に予定する保安院交渉の日とします。
・賛同団体・賛同個人の募集の締め切り予定日を9月30日とします。
・賛同団体、賛同個人の集約は各呼びかけ団体が行い、最終集約は「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)」が行います。美浜の会にメールまたはFAXで直接知らせていただいても結構です。
  美浜の会:メールアドレス mihama●jca.apc.org →●を@に変えて送信してください
  FAX:06?6367?6581

★なお、この要望書提出までの間に日本原燃が報告書をだすなどによって事情が変わったときは、要望書とは別に、それを補足する何らかの行動を呼びかけ団体の責任で行うことはご了承ください。

2008年8月22日
六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を憂慮する全国の市民
呼びかけ団体一同
 


六ヶ所再処理工場のガラス固化再開試験における「流下停止事件」に関する原子力安全・保安院への要望書
六ヶ所再処理工場は猛毒の放射性廃液を処理できない欠陥工場です!

原子力安全・保安院長  薦田 康久 様

2008年(10月初旬の提出日)

六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を憂慮する全国の市民

 去る7月2日に再開されたA溶融炉のガラス固化試験は、わずか半日で失敗に帰したことが明らかになりました。溶融ガラスの流下停止という、予想もしなかった事態が生じたためです。放射性廃液のガラス固化は、再処理の要の位置にある重要な工程です。その試験が頓挫したのです。
 溶融ガラスの流下停止は、もし回復できない原因によるものであれば、A溶融炉が使用不能に陥ったことを意味します。流下停止の原因を実態に基づいて徹底的に解明するべきです。
 日本原燃は8月19日に「対応状況」を公表しましたが、原因究明の範囲は意図的に限りながら「復旧作業」は急ぐという、スケジュール優先の姿勢に満ちたものです。このような主観的な原因判断に基づいて試験を再開しても、必ず同じ失敗を繰り返すことになるでしょう。
 A溶融炉は、すでに白金族の堆積とその除去作業のために昨年末から半年間も停止していました。今回の流下停止はそのような経緯と何らかの関連をもっているものと推察されます。堆積した白金族は十分に除去できていないことがすでに明らかになっているばかりか、除去作業で飛散した白金族の塵も溶融炉内に付着したはずです。日本原燃は、この固化技術の致命的な欠陥を実態的に明らかにするために炉内を十分に調査するべきです。
 原子力安全・保安院は下記の要望事項について自らの見解・姿勢を明確にするとともに、責任をもって日本原燃を指導してください。特に、この間のすべての資料を公開するよう日本原燃を指導するべきです。

 ガラス固化は再処理のなかで、もっとも危険な物質を扱う工程です。その要の位置にある工程が頓挫したなか、活断層の危険性が新たに指摘されています。さらに、放射能放出に対する懸念、その理不尽さに対する憤りが全国の人々の間に急速に広がっています。六ヶ所再処理工場は閉鎖するしかありません。原子力安全・保安院として、閉鎖に向けた具体的な措置に踏み出すよう至急検討に入ってください。

要 望 事 項

1.流下停止の直接的原因を調査解明し、すべてのデータを公開すること
 キャニスタ内に落ちた数百グラムの物質の成分調査、流下ノズル出口付近に付着していて原燃が除去した物質の成分調査、さらには現在も流下ノズル内に存在する物質の成分調査を行い、それらを比較すること。 これら成分調査の結果は、流下停止原因の物的証拠となるので、データはすべて公開すること。

2.A溶融炉は解体し、炉内の白金族の実態を徹底調査すること。情報はすべて公開すること
 流下停止の原因調査を完遂するために、炉内の状態を調査すること。この炉内に堆積している白金族と、その除去作業で飛散した白金族塵などの実態を把握すること。それらを通じて、白金族から逃れられないという、この炉の技術的欠陥を明らかにすること。

3.アクティブ試験は完全に中止すること
(1)燃料のせん断は危険な放射性廃液を増やすため、せん断を直ちに停止すること。
(2)放射能の放出を直ちに停止することはもちろん、すべてのアクティブ試験を完全に中止すること。
(3)高レベル廃液がけっして流出したり、沸騰したり、爆発したりしないよう万全の対策をとること。

4.この問題に関するすべての責任を明らかにすること
(1)今回、試験の再開を承認した原子力安全・保安院と核燃料サイクル安全小委員会の責任を明らかにすること。
(2)さらに、このような欠陥技術を採用した経緯、多大な税金を投入して開発してきた経緯と、すべての責任を明らかにすること。

■呼びかけ団体
核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団/核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会/再処理工場について勉強する農業者の会/花とハーブの里/PEACE LAND/三陸の海を放射能から守る岩手の会/三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会(わかめの会)/グリーンピース・ジャパン/原子力資料情報室/原水爆禁止日本国民会議/ストップ・ザ・もんじゅ東京/日本消費者連盟/ふぇみん婦人民主クラブ/福島老朽原発を考える会/グリーン・アクション/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)

■連絡団体
  核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会
    〒038-0024 青森市浪館前田4丁目21-26 西舘方
    TEL017-781-6248
  花とハーブの里
    〒039-3215 青森県上北郡六ヶ所村倉内笹崎1521 菊川方
    TEL0175-74-2522; FAX0175-74-2522 
  グリーンピース・ジャパン
    〒163-0802 東京都新宿区西新宿8-13-11 NFビル2階
    TEL03-5339-9800; FAX03-5339-9817
  原子力資料情報室
    〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B
    TEL03-3357-3800; FAX03-3357-3801
  ストップ・ザ・もんじゅ東京/福島老朽原発を考える会
    〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-19銀鈴会館405号 共同事務所AIR気付
    TEL03-5225-7213; FAX03-5225-7214
  グリーン・アクション
    〒606-8203 京都市左京区田中関田町22-75-103
    TEL075-701-7223; FAX075-702-1952
  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
    〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3F
    TEL06-6367-6580; FAX06-6367-6581