大飯原発3号炉が原子炉容器上ぶたにひび割れを抱えたまま試運転を開始

原子炉容器上ぶたにひび割れを抱えたままの大飯原発3号炉が1月11日に試運転を開始した.
(www.kepco.co.jp/pressre/2005/0111-2j.html)

大飯3号炉では,制御棒駆動装置のための案内管の溶接部にひび割れが発生し,一次冷却材漏れが起きていた.制御棒駆動装置は原子炉容器の上ぶたを貫通して取り付けられているため,このひび割れが拡大すれば制御棒の出し入れに不都合が起きるだけでなく,原子炉容器の冷却材の大量の漏えいによって燃料棒の冷却不能という事態を引き起こす危険性がある.

関西電力は,ひび割れが起きた案内管に応急処置的に溶接補修を施しただけで,来年(2006年)9月以降に予定されている上ぶたの交換工事まで,運転を継続させるつもりである.

これに関連して,関西電力は大飯3号炉以外の原子炉容器上ぶたも交換する計画を発表している.

(www.kepco.co.jp/pressre/2005/0111-3j.html)

交換の予定は,時期順に
大飯3号炉(2006年9月~)
高浜4号炉(2007年3月~)
大飯4号炉(2007年4月~)
高浜3号炉(2007年12月~)
となっている.

*「美浜発電所3号機の2次系配管の点検状況(速報)等について (福井県原子力安全専門委員会提出資料)」の添付資料にも大飯3号炉や上ぶた交換関連資料
(www.kepco.co.jp/pressre/2005/images/0114-1j_14289_1_21_0114_1_1.pdf)