温排水の環境へ深刻な影響 川内原発の環境調査結果から

温排水の環境へ深刻な影響 川内原発の環境調査結果から

川内原発3号炉の増設に反対する「反原発・かごしまネット」は、環境影響調査に対する意見書ならびにこれに関する「九州電力の見解」への反論をまとめ公表した。
 これによれば、温排水によって磯焼けが進み藻場が減少して魚類の生態系に影響を与えていること、また、回遊魚への影響も深刻であることが明らかにされている。さらに、温排水が再び取水口から取り込まれて、周辺環境よりも8~10℃も高くなって放出されていることも、実際の観測記録によって明らかにしている。安全協定によれば取水と放水の温度差は7℃以下となっているが、これが本来、漁業などへの影響を最小限に抑えるための対策とすれば、周辺環境よりも8?10℃も高いことは許されないだろう。
 川内原発は2号機合わせて電気出力178万キロワット。熱出力では約530万キロワットだから、差は廃熱として捨てられている。その大部分が温排水となる。放水口の周囲には波消しのためテトラブロックが2重に積まれているが、それにもかかわらず、深刻な影響がでている。
現在日本では、原発増設・新設のみならず、原発の効率を上げるために出力向上などが計画されている。この調査報告で、原発の環境への悪影響が改めて浮き彫りになった。
報告書は以下のサイトで見られる。ぜひ、一読を。
(伴英幸)

www.synapse.ne.jp/~peace/ikenshohihan.htm