「もんじゅ」最高裁判決・原子力資料情報室コメント
「もんじゅ」最高裁判決コメント
原子力資料情報室
2005年5月30日
5月30日午後3時、最高裁は「もんじゅ訴訟」の判決において、もんじゅの設置許可を無効とした高裁判決を破棄し、原告住民の控訴を棄却した。これにより原告住民の訴えを退けた地裁判決が確定したことになる。
20年にわたって闘い続けてきた原告住民の思いを踏みにじる文字通り最悪の不当判決である。
長い時間をかけて真剣に弁論を行ない、それに基づいてなされた高裁判決を、最高裁は単に政治的な思惑のみで踏みにじった。まさに司法不信を強めるのみの判決にすぎない。
最高裁判決によりもんじゅは延命され、改造工事を経て運転が再開されようとしている。しかし、判決によって安全性が担保されたわけではないことは言うまでもない。
10年余も止まりっぱなしの原子炉を動かせば、今度はどんな惨事を招くか。そもそも設置許可当時の設置目的は失われており、判決の如何にかかわらず、もんじゅは廃炉とすべきものである。また、実用化の見通しは全くなく、破綻が明らかになっている高速増殖炉開発は直ちに放棄すべきだ。
不当判決に抗議すると共に、改めて、もんじゅの廃炉、高速増殖炉開発の放棄を提言したい。