資料 原子力発電所および核燃料関連施設で発生したおもな事故・故障（2023年度）
『原子力資料情報室通信』第604号（2024/10/1）より
2023年度の原子力発電所および核燃料関連施設について、おもな事故・故障についてまとめた。原子力施設情報公開ライブラリーNUCIA（www.nucia.jp/）、および、各事業者のプレスリリース・報告書である。これらで報告された事例の中から、NUCIAの分類でT（トラブル情報：6件）およびM（保全品室情報：57件）のものをとりあげて、事故・故障の一覧表を作成した。M分類のトラブルのうち、4月20日の関西電力の美浜3号炉、大飯3・4号炉、高浜1・3・4号炉でのトラブルについては、ひとまとめにして掲載した。
本誌ではとりあげてこなかったが､10月4日に発生した六ヶ所・高レベル放射性廃棄物管理センター全域での送・排風機の停止ないしは使用不能はかなり重大な事故である。水素の滞留が問題になるような施設で､水素の掃気ができない状態が実際に起きてしまった。ごく短い時間とはいえ、放射能を外部に漏らさないようにするための建屋内の負圧維持が簡単に壊れたことも問題だ。
（上澤 千尋）
原子力資料情報室は、原子力に依存しない社会の実現をめざしてつくられた非営利の調査研究機関です。産業界とは独立した立場から、原子力に関する各種資料の収集や調査研究などを行なっています。