原発事故! 事故が起きて何が変わったか、変わらなかったか

基本情報

編著 西尾漠
発行 七つ森書館
発行日 2018/10/1
定価 4500円+税
会員価格

概要

『原子力・核・放射線事故の世界史』(2015年)、『日本の原子力時代史』(2017年)と本書を合わせて三部作の趣きとなったが、当初から意図したものではない。ひたすら多くの事故例を並べた『原子力・核・放射線事故の世界史』の後で、思いがけず43年間の原子力ウオッチングの記録を『日本の原子力時代史』としてまとめさせてもらった。両者をつなぐものがつくれないかと考えたのが本書である。典型的な文系人間だから、事故を理系の論理で説くことはできない。文系のほうにひきつけるといっても、事故に社会的な意味を与えるだけの能力はない。事故にからんだ話題を備忘録よろしくひろってみたら、こんな本になった。

書けるかどうか、資料を漁ることから始めた。国会図書館はもとより、福島や茨城、福井の図書館にも足を運んだ。いや、それより原子力資料情報室の手持ちの資料や『はんげんぱつ新聞』に載った記事こそが、素材の宝庫だった。それらを読み返すのは、実に楽しい作業だった。しかし、なかなか書き出すところまでいかない。

そしていざ書き始めてみると、面白いものを見つけたと思った資料を読者もそう受け取ってくれるか、どんどん自信がなくなってくる。そんな気持ちを何とかごまかしながら、ともかくも書き上げた。あとは読者の審判を待つばかりである。なお、執筆について下記の点にご留意いただければさいわいである。

追加情報

 

 

もくじ

Ⅰ.事故の教訓は1950年代から
原発が生まれたときから、事故は起きていた。そこで得られたはずの教訓は、生かされることがなかった。

Ⅱ.事故が地元の意識を変えた
日本の原発でも、事故は頻発する。それらがすぐに通報されず時に隠される事態に地元自治体は、安全協定の締結・強化を求めた。

Ⅲ.事故で変わる原子力行政
規制も推進の一部で、その名に値しない安全審査。そんな原子力行政に批判は集中した。

Ⅳ.安易な事故対策は失敗する
事故のたびにいつも聞かれる「反省」と「対策」。それでも同じ過ちが、何度も繰り返される。

Ⅴ.事故に終わりなし
放射能災害の被害は、時間とともにむしろ拡大する。事故のあと始末にも終わりは見えない。

Ⅵ.事故が「原発銀座」の怒りを呼ぶ
原発がどんなものかわからないうちに初号機が建設され、増設によって林立することになった福島や福井。事故まで認めたわけではない。

Ⅶ.今に続く事故隠しの「どうねん体質」
動力炉・核燃料開発事業団の相次ぐ事故と事故隠し。名称や体制の衣替えで何も変わらず、税金の無駄遣いが漫然と続いてきた。

Ⅷ.福島原発事故は、事故が予言していた
福島原発事故は、多くの識者に予言されていたと言われる。それより国内外の事故こそが、早くから予言していた。

Ⅸ.事故の軽視が新たな事故を準備する
周辺機器だから二次系だからと軽視し、保守管理を軽視してきたツケが、いよいよまわってきた。

Ⅹ.防げなかった原発震災
原発事故と自然災害との複合災害が警告されてきた。先触れとなる現実もあった。それなのに福島原発事故を起こしてしまった。

索引
事項索引
施設名索引
人名索引
組織名索引

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