小林晃 写真展-素顔の核燃料再処理工場 セラフィールド
『小林晃 写真展-素顔の核燃料再処理工場 The True Face of Nuclear Reprocessing Plants』より
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イギリスのカンブリア地方にあり、アイリッシュ海に面して立っているセラフィールドの工場群は核燃料サイクル施設である。この周囲は人家が少なく牧草地が多い。ここでは、12,000人が働いている。(2004年10月撮影)
左端の煙突は1957年に深刻な放射能放出事故を起こした軍事用のプルトニウム生産炉の残骸。強烈な放射能で解体が遅れている。右の高い煙突が天然ウラン燃料用のB204で、73年に大規模事故を起こし31人の労働者を被曝させ閉鎖、現在前処理施設に転用されている。手前右あたりに日本の使用済み燃料を再処理して分離精製した二酸化プルトニウムも含むプルトニウム保管庫やデータ改ざんによりわが国の信用を失ったプルサーマル燃料用のMOX燃料加工工場がある。(2004年10月撮影)
COREのマーティン氏は語る。「排水管から海に流したプルトニウムなどの放射能は魚介類に取り込まれたりして、ついにはしぶきにまざり浜辺や陸地に吹きつけられた」「このあたりの土でさえ英国の専門施設での保管が必要なレベルだ。しかし、看板もない」と嘆いた。この会話の間、ガイガーカウンターは通常の40倍の値を示し、キリキリと鳴りつづけていた。(ニュービギン2004年10月撮影)
数軒しかない小さな集落なのに子供の墓が多い。兄弟のものもある。工場から約7キロのレーベングラスの墓地で。(2004年10月撮影)
工場から約50キロはなれた専用港。船の所有者はイギリスのPNTL社である。ここで、使用済み核燃料は陸揚げされ、高レベル放射性廃棄物は船積みされる。輸送には大変な危険が伴う。専用船名には多くパシフィックを冠しパシフィックシリーズといえる。このパシフィック・ピンテール号(戴荷重量3000トン)もその1隻。日本でもしばしば見受けられる。(2004年10月撮影)