No Nukes Asia Forum 2012 共同声明文

→【English】 Joint Declaration of No Nukes Asia Forum 2012

報告:第15回ノーニュークス・アジアフォーラムin韓国

ノーニュークスアジアフォーラム2012(No Nukes Asia Forum 2012)共同声明文

アジア各国から集まった私たちは福島の原子力発電所の事故を通して原発の危険性について再認識した。私たちはすでにスリーマイルとチェルノブイリの事故で原発の危険性を十分に知っていた。しかし私たちは現在、フクシマという新たな原発事故の悪夢を経験している。それにもかかわらず、原子力産業界は原発の安全性を何度も強調し、原発の増設にいそしんで来た。

今回の福島原発事故は、これまでの原子力産業の説明がどれだけでたらめであったかを示す良い例になるだろう。福島の事故が起こって1年が経過したが、まだ福島の原発では、大量の放射性物質が流れて出ている。数万人もの人々、特に子供たちが故郷を離れなければならず、今も非常に深刻な困難に直面している。日本政府は、事故の被害やその他関連情報を隠蔽しており、これによって放射能の被曝は毎日増え続けている。日本政府は、福島原発の周辺地域の汚染を除去して、地域住民を再び戻そうという計画を発表した。しかし、これは事故の危険性を隠蔽するためである。放射能の危険を完全に取り除くことなどできない。

私たちは、国民の安全をないがしろにして原発を放棄しない者たちを強く糾弾する。また、私たちは、原子力産業会議と核安全保障サミットに参加している政府を強く批判する。このサミットに参加している各国首脳は、国民の健康よりも企業の利益を優先している。韓国で開催されるこのサミットは事実、核の安全保障について議論するとは言っているが、これは見せかけに過ぎない。実際には原子力発電所を推進するためのものに過ぎない。繰り返される原発事故に原子力産業界は、もはや自国に原発を建てることができないため、原発の輸出を通じて問題を解決しようとしている。私たちは、原発事故の教訓を無視したこれらの動きを強く糾弾する。

これまで私たちは、原発をめぐる様々な差別と不正を見てきた。原発や放射性廃棄物処分場近くの地域住民と原住民たちは事故の危険性と健康上の脅威を常に受けている。未来の世代は、現世代が残した放射性廃棄物のために自分とは関係ない負担を抱えている。放射性廃棄物を作ったのは現世代だ。また、原子力発電所と放射能汚染除去の現場では多くの非正規職労働者たちが被曝の危険の中で仕事をしている。

原発事故の危険性と原発をめぐる不正を解消するためには、原発を完全に中断するしか方法はない。この世界には安全な原子力発電所など存在せず、差別を引き起こさない原子力発電所もやはり存在しないからだ。

ここに今日、私たちはいまだ原発を放棄していない国々に厳重に警告する。原発を中断しないならば、第2の福島原発事故は必ず発生するだろう。福島で起きた悲劇を繰り返したくないのならば、今すぐ原子力発電を中断しなければならない。私たちはフクシマの教訓をもう一度思い返し、各国政府に原発の誘惑に陥ならいよう再度要求する。

1 私たちは、日本政府が何よりもまず放射能の被曝の危険にさらされた子供たちを別の場所に避難させることを求める。また、放射能の拡散を防ぎ、核燃料サイクルを中断することを求める。

2 私たちは、韓国政府が原発偏重の政策をやめ、原発の輸出を中断することを求める。

3 私たちは、台湾政府が現在稼動している原発の運営を中断することを求める。特に第4原子力発電所の建設の中断とランユ島に放置されている放射性廃棄物をすぐに除去し、低所得層の地域に放射性廃棄物を廃棄することの中断を求める。

4 我々は、インドネシア、フィリピン、タイ政府に原発の建設計画を放棄することを求める。

私たちは、世界中の人々に、死を招く原子力発電を拒否することを求める。現在建設されているすべての原子力発電所の建設に反対する動きに参加することを求める。私たちは、みなで力を合わせて、原子力発電を撤廃する時代を新たに始めなければならないだろう。私たちは、原子力発電の時代から民衆を基盤にした再生可能で持続可能なクリーンな時代に変わらなければならない。

2012年3月23日

ノーニュークスアジアフォーラム参加者一同

japan.nonukesasiaforum.org/