原発と国民保護法

原発と国民保護法
(講演配布資料のまま)

原子力資料情報室 西尾漠

◎「武力攻撃原子炉災害」という事態

 ・より大きな被害想定、より早い対応の必要性

「武力攻撃原子炉災害」の発生時には、短時間に多くの被ばく患者が発生する可能性もある。(福井県国民保護計画、2005.4)

 ・原発停止をふくむ対応

イ.国の命令 ロ.事業者の判断 ハ.知事の要請

 ・にもかかわらず安全審査の対象外という無責任さ

安全審査では、一般に想定される自然災害や外部人為事象が発生しても原子力施設の安全性を損なうことがないような基本設計及び基本設計方針の妥当性を審査します。……外部からの武力攻撃については、一般的に想定され得る事象の範囲からは外れると考えられるため、設計段階での「想定される外部人為事象」の審査対象にはふくめていません。(原子力安全委員会、2005.8.11)

◎テロより地震、過酷事故

 ・現実的災害の対策こそ強化を

万一原子力災害が発生した場合、最優先すべきは、「地域住民はどの時点で、どのように行動すべきか。また、放射性物質が大気中へ放出される前に、いかに地域住民を避難させ安全を確保するか」を決定すること。(北海道「原子力防災訓練について」、2005.10.13)

 ・テロ対策よりテロの原因除去、対象の除去を

◎「実動訓練」のおかしさ

 ・「武力攻撃」の中身なし

国籍不明のテロリストによる関西電力(株)美浜発電所に対する攻撃

 ・ご都合主義のシナリオ

7:00頃 原子炉自動停止
     外部電源喪失
7:45頃 屋内退避
8:00頃 全交流電源喪失
     復旧の見込み立たず
10:00頃 炉心冷却機能喪失
10:10頃 炉心損傷の可能性
12:30頃 住民等の避難開始
     美浜発電所内で被ばく患者発生
13:45頃 A電動補助給水ポンプ復旧
     電源復旧、原子炉冷却開始
14:50頃 すべての住民が避難所に到着、スクリーニング等開始

 ・脅しでないならなおのこと脱原発しかない

◎核管理社会の強化はごめん

 ・有事法制+平時の核物質防護

 ・労働者、住民を敵視/相互監視

 ・やはり脱原発しかない[原発停止は可能]