大間原発訴訟・代理人コメント
平成17年(ネ)第246号 共有物分割請求控訴事件
控訴人
熊谷あさ子、佐藤亮一
被控訴人 電源開発株式会社 外
平成18年3月31日
弁護士 河合弘之
本日の判決に対する控訴人ら代理人弁護士のコメント
本日、大間原発建設予定の共有土地に関する共有物分割請求訴訟で、仙台高裁より判決が言い渡された。分割に反対する地権者熊谷さんたちの意向を無視し、原判決の内容をほぼそのまま踏襲する結論である。電源開発株式会社が推進する大間原発の建設を事実上後押しするものであり、到底承服できるものではなく、直ちに最高裁判所への上告手続を行う。
電源開発株式会社は、他の電力会社と異なり、これまで原子力発電所を運転したことがない。その原発未経験の電源開発が、技術的に非常に難しいといわれているフルMOX、すなわち全炉心でのMOX燃料の燃焼を行おうとしているのである。しかも、世界的にも運転経験が非常に乏しい炉型である「改良型沸騰水型原子力発電(ABWR)」でプルトニウムを大量に燃やそうというのであるから、原告の大間原子力発電所計画は極めて無謀な計画であるということは明らかである。
熊谷さんたちは、愛する大間の自然を破壊し、その存在自体が危険である大間原発の推進に引き続き全力で反対してゆく所存である。今後、本件のような民法上の共有土地に関する争いと並んで、大間原発の危険性を主たる争点に掲げた人格権に基づく原子力発電所建設工事差止訴訟を近日中に提訴する予定である。
以上