緊急声明 繰り返される東京電力の不正体質露呈を糾弾する 原発反対地元三団体
2007.1.31
緊急声明 繰り返される東京電力の不正体質露呈を糾弾する
原発反対地元三団体
1月31日、東京電力は柏崎刈羽原発でのECCS関係機器の検査偽装等、数々の法令違反を繰り返していたと公表した。発表は事実の一部で、まだまだ隠されている事があると疑わざるを得ない。
不正の公表事項は199件と膨大であるが、柏崎刈羽の法定検査関係では
○H4.5に柏崎刈羽1号・H6.11に3号機で非常用発電機やECCS関連装置の機能検査の偽装
○H6.9~H10.10に1~3号で、主蒸気隔離弁の漏洩率検査の偽装
○H10.8~H13.3に7号で、蒸気タービン性能検査を実施せず検査成績表を作成
法定検査以外の改ざん・偽装関係で
○H7~H9に排気筒の放射性よう素濃度のデータ改ざん(号機不明)
○H7.5に4号機で排気筒の放射能記録を改ざん
○H7.8に1号機で熱出力記録の改ざん
とのことである。
東京電力の不正は、原子力のみならず、火力や水力・地熱や風力等、東京電力の全部門に及んでいる。
不正を繰り返す東電体質は、地域独占の営利企業である限り改善できないのではないか。
いずれにせよ、東京電力に原子力発電所を運転する資格も能力も倫理観もないことが明らかになった。
民間企業なら倒産は必至の事態である。
ECCSは異常時の最終手段・最重要機器である。このECCSの異常を偽装し定期検査をパスして運転したり、放射能や出力記録を改ざん・偽装していたことは断じて許せない。
報告を受けた経済産業省原子力安全・保安院は、「内容を精査したうえで行政処分が必要かどうかを検討する」としているが、常日頃、「厳重な検査」を宣伝し、東京電力となれ合い、擁護し続けてきた、国の責任は重大である。国に東京電力を批判する資格はない。国の検査能力・体制の限界が示された訳だが、問題の背景に、国と東京電力の原子力推進と規制が一体の行政機構がある。東京電力の不正が繰り返される背景に、電力会社と監督官庁との関係があると考える。
2002年の東電事件を契機に、新潟県や柏崎市・刈羽村は、県民市民の「安全・安心」を目的に、東京電力に厳しく接しているような姿勢を示してきたが、それが不十分だった。
新潟県の原子力に対する基本姿勢は、専門家委員会の原子力技術委員会に長年原子力推進に関わる、いわく付き人物を選任していることに象徴されている。地方行政もまた、東京電力の不正体質を助長している。
不正公表に際して、東京電力・国・新潟県・柏崎市・刈羽村に以下事項を要請する。
1.東京電力は、営利・地域独占企業の嘘つき改ざん偽装体質は変わりようがないことを認めること。
1.国は「検査能力・体制が不十分だったこと、今後も見落としがあり得ること」を県民・市民・地域に説明し、従前の対応の不十分さを謝罪すること。
1.新潟県・柏崎市・刈羽村は、東京電力が嘘をつく企業であることを前提に対応すること。