抗議声明 電力会社にも国にも原発を運転する資格はない

抗議声明 電力会社にも国にも原発を運転する資格はない

2007年4月2日
原子力資料情報室
共同代表 山口幸夫、西尾漠、伴英幸

 電力12社は3月30日、発電所のデータ改竄・捏造・偽装・隠蔽などの不正の総点検報告書を経済産業大臣に提出した。不正の総数は306件で、うち原発に関するものは97件(同じ種類の不正が複数の発電所で複数回起きている場合も各電力ごとに1件と数えている。実際の件数ははるかに多い)という。他に日本原子力研究開発機構などでも臨界実験装置の制御棒トラブル・自動停止を報告しなかったなどの不正のあったことが明らかにされている。
 不正の中には法令に違反するものとそうでないものがあるかに発表されているが、そもそも法令に不備のあることからすれば、違反していなければよいというものでないことは、指摘する要もないだろう。いずれにせよ底なしの不正であり、電力会社も監督省庁も「安全第一」がいかに口先だけのものであったかを示して余りある。電力会社にも国にも原発を運転する資格はない。少なくとも臨界事故を起こし、それを隠蔽してきた原子炉の設置許可は取り消される必要がある。
 安全軽視と隠蔽体質の電力会社が、プルサーマルなどとてもできえないことは、これまで原子力推進の姿勢をとってきた各地元自治体ですら、怒りをもって表明している。プルサーマル計画は、直ちに撤回されるべきである。国際公約で保有しないとした「余剰プルトニウム」を増やす六ヶ所再処理工場の操業も撤回されるべきであり、「余剰プルトニウム」を産み出しつつ進められている同工場の試運転の即時停止を求める。
 私たちは、原発のない社会をどう実現するかに、真剣に全力を傾注したい。