CCNE連続オンライントーク「核のごみ処分についての『対話』はどうあるべきか─ 市民検証の実践から考える」
9月27日17時から開催される原子力市民委員会のオンライントーク「核のごみ処分についての『対話』はどうあるべきか─ 市民検証の実践から考える」に当室の高野聡が登壇します。ぜひご参加ください。以下、主催団体の広報文です。
原子力発電所で使用された核燃料は、現在の日本の法律では、すべて「再処理」してプルトニウム資源を分離し、再処理で生じた高レベル放射性廃液をガラス固化したもの(特定放射性廃棄物)を「地層処分」(300mよりも深い岩盤に埋設)することになっています。しかし、どこで地層処分できるかは決まっておらず、そもそも科学的・技術的に多くの困難があり、また経済的にも不確定要素が少なくありません。
これまでのところ、北海道の寿都町と神恵内村で地層処分地選定のための国の調査が進められてきました。地層処分事業を担当する国の公的組織である原子力発電環境整備機構(NUMO)は、地質や火山など自然条件についての調査とは別に、地域住民との「対話の場」というものを設置し、地層処分事業と地域の町づくりについて、住民参加のもとに情報共有する場であるとしました。
この「対話の場」は、NUMOと地域行政(町役場、村役場)とが共同で運営しましたが、その運営のあり方や、成果の取りまとめ方については、さまざまな欠点や不公正が指摘されています。NUMOは「対話の場」を通じて地層処分事業への住民の理解が深まったと自画自賛していますが、提供する情報や参加者に偏りがあったり、双方向のやり取りが不足していたり、事前に決められていた運営ルールにNUMOが違反したり、また、「まとめ」に住民の声が反映されていないなど、対話のあり方として多くの課題が残されました。
今後、核のごみ処分の候補地として調査される他の自治体でも、「対話の場」ないしそれに類するものが設置されるならば、指摘された問題点をきちんと見直して、本当の「対話」が成り立つような条件やルールを確立しておかなければ、地域の分断を深めることにしかならないでしょう。
問題点の見直しのためには、事業推進者であるNUMOや経産省(資源エネルギー庁)に「ふりかえり」を委ねるのではなく、市民社会が積極的に監視、検証、提案をしていくことが重要です。今回の事例では、北海道の市民グループが「核のごみに関する対話を考える市民プロジェクト」を立ち上げ、NUMOによる「対話の場」の設定と運営のあり方、そしてそれが地域社会にどのような影響を与えたかについて、市民の目線から検証されたことが特筆されます。その検証結果は見解文書にまとめられ、経産省の審議会にも提出されています(検証レポートはこちら)。
今回のオンライントークでは、「核のごみに関する対話を考える市民プロジェクト」の宮崎汐里さんをお招きし、市民がどのような思いから、どのように検証を進めたのかについてご報告いただきます。また、この「対話の場」の総括についての経産省での審議に参加された「特定放射性廃棄物小委員会」委員の高野聡さんと寿楽浩太さんにも解説とコメントをお願いしました。核のごみ処分をめぐる「対話」はどうあるべきかについて、皆さんとともに考えたいと思います。
〇日時:2024年9月27日(金)17:00~18:00
〇場所:オンライン開催(zoom)
〇プログラムと出席者:
●「地層処分をめぐる『対話の場』とは何だったのか ── 経産省での「総括」の経緯」/高野聡(原子力資料情報室、特定放射性廃棄物小委員会 委員、原子力市民委員会政策調査部会)
●「寿都町で設置された『対話の場』運営のあり方 ── 市民による検証報告」 /宮崎汐里さん(核のごみに関する対話を考える市民プロジェクト)
●コメント/寿楽浩太さん(東京電機大学工学部人間科学系列 教授、特定放射性廃棄物小委員会 委員)
●質疑応答・意見交換
(この企画は、後日Youtubeで公開します。Zoomのウェビナー形式で開催し、ご質問やご意見は当日の質疑応答(Q&A)もしくは、後日メール・FAXなどで受けつけます)
〇申し込み:下記よりお申込みください。
us02web.zoom.us/webinar/register/WN_SByO8FpWRZ-JFGaKm0fbkA
※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。
〇主催:原子力市民委員会
〇お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください] TEL 03-6709-8083