『原子力資料情報室通信』397号(2007/7/1)短信

『原子力資料情報室通信』397号(2007/7/1)短信

*情報は執筆時点のものです。

■クリアランス制度の初適用

 日本原子力発電は6月6日、東海原発の解体で発生した燃料取替機などの炭素鋼の一部を「放射性廃棄物として扱う必要がないクリアランス対象物」として、再利用のため、東海村内の民間鋳造所に運び込んだ。2005年に導入された「クリアランス制度」の初適用である。
 この日に運ばれたのはトラック2台分の約4トンで、さっそく溶解作業が行なわれたという。放射能濃度の基準を満たしているとして今回確認されたのはクリアランス対象の金属約4900トンのうち107トンで、うち約20トンが鋳造対象。11月末までの予定で溶解が行なわれる。残りの約87トンについては、電炉メーカーへの搬出が関係先との調整中とされている。
 用途としては、鋳造品では「応接テーブル、ベンチ、ブロック、原子力関連施設の遮へい体」、電炉製造品では「原子力関連施設の建設工事で使用する鉄筋」が挙げられており、再利用先は日本原子力発電と原子力関係機関が「当面の候補」とされる。制度が「定着」すれば、再利用先はまったく無制限となる。

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