米印原子力協力に関するアボリション2000の各国政府への要請書
米印原子力協力に関するアボリション2000の各国政府への要請書
核実験を実施し、NPT(核不拡散条約)の枠外で核兵器開発を続けるインドに対し、アメリカをはじめ、国際社会は核不拡散と核軍縮の観点から、インドに対し、原子力貿易取引制限をしてきました。
ところが、2005年7月のブッシュ大統領のインド訪問を契機として、その制限を撤廃する約束をし、翌06年12月アメリカ議会はいくつかの条件付で米・印原子力協力を認める法律を可決しました。これを受けて、アメリカと両政府は具体的な協定についての協議を続けておりましたが、合意が成立し去る8月3日協定案が公表されました。米印原子力協力は、NPT加盟の非核兵器国さえ与えられていない優遇措置をNPTの枠外で、核実験を行い、核兵器を保有しているインドに与えるものです。
今後、手続は、インドとIAEA(国際原子力機関)との保障措置協定の締結、日本を含む原子力供給国グループ(NSG)45ヶ国の承認等へと移ります。
このような状況下で90ヶ国以上の国の2000を超える組織によって構成される核兵器廃絶をめざす国際的ネットワークであるアボリション2000では、8月14日、日本の安倍首相を含む、NSGメンバー国の首脳らに宛てて、米印協定の問題点の指摘とともに、別添のようにこれを拒否するよう求める要請書を送りました。
→→【米印原子力協力に関するアボリション2000の各国政府への要請書 PDF】
ご承知の通り、安倍首相は、8月19日からアジア各国を歴訪する予定であり、21日には、インドを訪問する予定になっております。安倍首相は国会で、米印原子力協力について、明確な拒否の姿勢を明示していません。被爆国政府である日本政府が、もし、今回の訪問の際に、米印原子力協力に支持の姿勢でも示すことがあれば、国際社会への影響は甚大です。
17日午前に、この要請書を、賛同をいただいた皆さまのお名前とともに、安倍首相宛に提出いたします。
2007年8月14日
内藤雅義 (日本反核法律家協会/核兵器廃絶市民連絡会)
川崎哲 (ピースボート)
フィリップ・ワイト (アボリション2000米印協定作業グループ・コーディネーター)
アボリション2000米印協定作業グループの要請書日本国内賛同者(2007年8月16日現在)
赤石千衣子 (ふぇみん婦人民主クラブ)
阿南久 (日野市民)
梅林宏道 (ピースデポ代表)
大久保賢一 (日本反核法律家協会事務局長)
小笠原公子 (日本キリスト教協議会平和・核問題委員会委員)
岡本三夫 (岡本非暴力平和研究所代表)
川崎哲 (ピースボート共同代表)
沢田昭二 (原水爆禁止日本協議会)
茂垣達也 (生協職員)
杉原浩司 (核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)
高橋健 (山梨県原水爆被害者の会会長)
高原孝生 (横浜市民)
田中熙巳 (日本被団協)
田村順玄
土山秀夫 (元長崎大学学長)
寺尾光身 (名古屋工業大学名誉教授)
内藤雅義 (核兵器廃絶市民連絡会)
新倉修 (日本国際法律家協会会長)
新田秀樹
伴英幸 (原子力資料情報室共同代表)
福山真劫 (原水爆禁止日本国民会議)
藤川泰志
藤田明史 (西宮市民)
道原海子
森口貢 (長崎証言の会)
湯浅一郎
インド・パキスタン青少年と平和交流をすすめる会 世話人代表 森瀧春子
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会 共同代表 岡本三夫、森瀧春子、河合護郎
北富士県是を実現する会 加地章江、加地章郎
原水爆禁止調布市民会議
市民ピースネットワーク山梨 久松重光、森井雅子、田中美砂
先住民族とともに人権・共生・未来を考える会 長谷川修
日本キリスト教協議会平和・核問題委員会 委員長 平良愛香
ピースリンク広島・呉・岩国
山梨県青い空の会 上野さかる
山梨平和を語る会 小出昭一郎、橘田浜子
原子力資料情報室は、このワーキンググループのコーディネーターをしています。
参加に関心のある方は、コーディネーターにご連絡ください。
フィリップ・ワイト
原子力資料情報室
〒162-0065東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B
TEL:03-3357-3800 FAX:03-3357-3801
○●ワーキング・グループのウェブサイトは以下で見ることができます。●○
cnic.jp/english/topics/plutonium/proliferation/usindia.html
米印原子力協力:アボリション2000 からの呼びかけ
cnic.jp/542