国際署名キャンペーン 世銀・ADBの核融資にNO ― これまでの原発融資禁止方針を変えないで
本日、日本を含む世界26の国と地域の64のNGOが、世界銀行およびアジア開発銀行(ADB)に対して、原発の融資や支援方針の解禁を撤回するよう求めるオンライン署名を開始しました。
署名はこちらから>chng.it/kWnJpNgm6K
世界銀行とアジア開発銀行(ADB)は、各国政府が出資する国際的な金融機関で、経済開発・貧困削減・インフラ整備を支援しています。日本は世銀に関しては第二位、ADBに関してはアメリカとならんで最大の出資国です。
これまで両機関は、①核拡散、②安全性、③放射性廃棄物、④高いコスト――などを理由として、原発に対する融資を行ってきませんでした。
しかし、6月10日に世界銀行の理事会が、原発への融資を禁止する措置の解除を決定し、ADBも、現在行おうとしているエネルギー政策の見直しの一つとして、原発への支援を含める方針です。
一方で、これまで両機関が原発に対して慎重な姿勢をみせていた理由(安全性・放射性廃棄物・核拡散・高コスト)はいまだ解決されていません。
途上国における原発建設を支援することは、その国の現在世代および将来世代に深刻な長期的危険と莫大な経済的負担を負わせることになります。
8月21日に実施されたADBの会合に出席された、ひだんれんの大河原さきさんは、「私たち被害者が強いられた苦悩を、同じアジアの同胞に味わわせたくはありません。」と訴えました。本当にその通りだと思います。
ぜひ、署名にご協力ください。また、拡散にご協力ください。
署名サイト:
日本語:chng.it/kWnJpNgm6K
英語:chng.it/G9MCKn6Gpv
署名本文:
世界銀行グループ総裁 アジェイ・バンガ様
アジア開発銀行(ADB)総裁 神田 眞人 様
私たちは、世界銀行およびアジア開発銀行(ADB)が、原子力事業への融資や支援を解禁する方針であることに、強い懸念を有しています。
世銀やADBが、いままで原子力事業への支援を行ってこなかった理由は、核兵器拡散拡散と切り離せないリスク、そして、放射性廃棄物という未解決の問題にありました。その状況は今もかわってません。それどころか、ロシアのウクライナへの侵攻では、原発が軍事的な攻撃の対象となりうる現実的なリスクを示し、深刻な安全保障上のリスクを浮き彫りにしました。
チェルノブイリや福島第一原発事故が示したように、ひとたび事故が起きれば、広範囲にわたる長期的な環境汚染と深刻な社会・経済的混乱を引き起こします。
事故や攻撃がなくても、原子力発電は、ウラン採掘、燃料の生産・加工、運転、廃炉、使用済み核燃料の処分といった、ライフサイクル全体のすべての段階で放射性物質を環境中に放出します。特にウラン採掘にあたっては、先住民族の権利を侵害し、彼らの健康や土地、環境を損なってきました。
原発の運転によって生じる核廃棄物は何万年も管理が必要です。しかし、ほとんどの国で処分地の選定すら行われていません。
原発の建設計画に関してはテロ対策を理由に秘匿される情報もあり、住民やNGOなどが原発の安全性にかかわる情報に十分アプローチできないことも多いのが現状です。これは透明性やステークホルダーとの協議に基づく社会的合意などを定めた国際金融機関のセーフガードポリシーに矛盾します。
近年、原発建設のコストははねあがり、一基あたり数兆円以上にも達しています。しかも、当初計画から数倍に跳ね上がる例が多くみられます。民間からの投資は原発ではなく再生可能エネルギーに向けられた結果、再エネは加速度的に成長しました。原発は現在、新規電源の中で最も高コストであり、大規模な政府補助金を必要とします。そのため再エネの迅速な普及を遅らせ、妨げる「機会費用」を伴います。
さらに、原発の建設には10年以上、多くの場合20年以上かかることが一般的であり、気候危機の加速に対応するために必要とされる迅速な対策にはなりません。
原子力発電のもつ脆弱性にも目を向けなければなりません。大規模集中型の電源である原子力発電は、事故や技術的問題で予期せずに止まると、その影響は広い範囲に及びます。近年は、熱波の影響で海水や河川の水温があがり、冷却水が取水できないなどの事態も発生しています。
小型モジュール炉(SMR)であっても、核分裂性物質や放射性廃棄物、核拡散リスク、経済性など多くの懸念を解決できていません。
途上国における原発建設を支援することは、その国の現在世代および将来世代に深刻な長期的危険と莫大な経済的負担を課すことになります。
私たちは世銀・ADBに対して、原発へのいかなる支援も行わないように求めます。

