原子力資料情報室声明 原発5基廃炉が決定、1日も早い原発全基廃炉を

 特定非営利活動法人原子力資料情報室は、3月17日、18日に電力各社が計5基の原発の廃炉を発表したことをうけて、本日、以下の声明を発表いたしました。 


 

原発5基廃炉が決定、1日も早い原発全基廃炉を

 

2015年3月19日

特定非営利活動法人 原子力資料情報室

 

 3月17日に関西電力と日本原子力発電が計3基の原発の廃炉を発表し地元自治体に説明した。また18日には九州電力と中国電力が計2基の原発の廃炉を発表し、それぞれの自治体に説明した。美浜1・2号機、敦賀1号機、玄海1号機そして島根1号機が廃炉となる原発であり、それぞれ運転開始から40年を超え、あるいは超えようとしている。まずはこれらの廃炉を歓迎したい。

 しかしながら、なぜ5基だけなのか? 電力会社の経営判断によってでも廃炉にすべき原発はさらにあろう。政治的な理由で廃炉を引き延ばすことは許されるべきでない。また、福島県および県内全自治体が廃炉を求めている福島第二原発は、直ちに廃止されるべきである。敷地内や近傍に活断層があるとされる原発の廃炉判断も、いたずらに引き伸ばされるべきではない。

 廃炉に伴い発生する放射性廃棄物の処理・処分問題は未解決である。電力各社は自らの責任において着実にこれらの廃棄物の処理・処分を行うべきであり、原子力規制委員会は余裕深度処分に関する厳格な規制基準を定めるべきである。

 さらに国と電力各社は立地自治体への影響緩和策を着実にすすめ、原発に依存しない自治体経営へ向けた自治体の努力を積極的に補佐するべきである。

 いよいよ大量廃炉時代を示唆する電力各社の決断だが、この廃炉表明を契機に、日本社会が確実な脱原発へ向けて歩みだすことを私たちは求め、1日も早い全基廃炉へ向けて今後とも活動していきたい。