【原子力資料情報室声明】原子力規制委員会は独立性を担保できるよう厳格なルールを構築せよ
原子力規制委員会は独立性を担保できるよう厳格なルールを構築せよ
2026年1月27日
NPO法人原子力資料情報室
東京電力福島第一原発事故の切実な反省を受けて発足した原子力規制委員会で、規制の独立性を疑わせる事態が起きている。東京電力福島原子力発電所事故調査委員会 (国会事故調)は提言5-1で「高い独立性 ①政府内の推進組織からの独立性、②事業者からの独立性、③政治からの独立性を実現し、監督機能を強化するための指揮命令系統、責任権限およびその業務プロセスを確立する」と提言している[i]。そこで原子力規制庁が事業者からどれだけ独立できているのかを確認した。
内閣官房が「民間から国への受入状況」を取りまとめている[ii]ので、発足以来の原子力規制庁への民間企業からの出向者の数を取りまとめたところ、グラフの通りとなっていた。原子力規制庁の職員数は2025年時点で1,064人[iii]のため、割合として多いわけではないが、2022年から大幅に出向者受け入れ数が増加している。

出向者が原子力規制庁内でどのような部門に配属されているのかを確認したところ、研究部門のみならず、審査部門や現地事務所に被規制者や被規制者の下請け企業の職員が出向していることが確認できた。
出向者は出向元企業の業務に従事することや出向元企業に対する許認可等を行う官職に就くことは禁止されている[iv]。とはいえ、そもそも厳密な規制を求められ、規制の透明性をうたい、被規制者と面談する際にも議事概要などを公表している原子力規制委員会・規制庁が被規制者からの出向を受け入れ、審査部門に配属することは、規制の独立性・透明性の観点から、異様な状態だといえる。
監視とチェック機能が十分働かなかった結果起こったのが、15年前の東京電力福島第一原発事故だった。私たちは二度と同じ過ちを繰り返してはならない。現在行われている衆議院議員選挙においては、各党は原子力規制に対する姿勢を明らかにすべきだ。
以上
資料:規制庁出向者受け入れ状況
[i] www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/intellectual_meeting/first_intellectual5/reference2.pdf
[ii] www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_f1.html
[iii] www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/001/event/humanresource/250924/20250924_HRC01_04.pdf
[iv] www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/000152969.pdf


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