喜友名正さんの労災認定勝利・大阪集会[2008/11/30]
喜 友 名 正 さ ん の 労 災 認 定 勝 利・大 阪 集 会
日時:11月30日(日)午後1時30分~4時30分
会場:ヒューマインド
www.humind.or.jp/map.html
JR環状線芦原橋駅から700メートル
大阪市浪速区久保吉2-2-3
TEL 06-6561-4193
主催 喜友名さんの労災認定を支援する会 (大阪府福祉人権推進センター)
原発で働き悪性リンパ腫で死亡した喜友名正さんが、10月27日、労災認定されました。労災申請から3年、淀川労基署の不支給決定(2006年9月)を跳ね返しての勝利です。15万6721筆の署名を届けてくださった全国の皆さん、ありがとうございました。
「労災認定は当然。私の時計は止まったまま。病気になって初めて放射線被曝の危険を知った夫の無念を晴らしたい。」と、不支給決定にも屈しなかった妻の喜友名末子さんの強い思いが多くの人々を動かしました。
弁護団、医師、支援する会と全国の支援者の密接な連携でこの勝利を勝ち取ることができました。
原発被曝労働者の悪性リンパ腫労災認定は初めてで、今後の労災認定の拡大につながります。
支援の取り組みの中から多くの課題が見えました。支援する会は、労災認定基準の認定対象に白血病類縁疾患を追加することなど、9項目を厚労省に申し入れています。
支援する会の発足集会を持った大阪の地に再び沖縄から喜友名末子さんを招き、喜びを共にしましょう。原発被曝労働者の課題と取り組みを話し合いましょう。
喜友名正さんの労災認定を支援する会
責任団体 :原水禁国民会議、原子力資料情報室、関西労働者安全センター、双葉地方原発反対同盟、原発はごめんだヒロシマ市民の会、反原子力茨城共同行動、ヒバク反対キャンペーン
喜友名正さんの悪性リンパ腫労災認にかかわる厚生労働省への申し入れ書
2008年11月4日
私たちは、喜友名正さんの悪性リンパ腫が、原発被曝労働者として初めて、労災認定されたことを心から喜び、関係者の多大なご尽力に感謝します。この問題には全国から高い関心が寄せられ、労災認定を求める15万6721筆の署名が寄せられました。
労災申請から3年、審査請求から2年、不支給決定を覆しての労災認定に至る中で、
ア.喜友名さんが放射線被曝線量限度ぎりぎりの過酷な被曝労働に従事し、使い捨てられたこと。
イ.遺族の労災申請に対して、りん伺なしの不支給決定がおこなわれたこと。
ウ.2004年の長尾さんの多発性骨髄腫労災認定を受けて例示疾病に白血病類縁疾患を追加するべきところ、今日まで放置されてきたこと。
など、多くの問題点が浮き彫りになりました。
喜友名さんが原発の定期検査の現場で過酷な被曝労働に従事し、使い捨てられたことが明らかになりました。私たちは具体的な労働実態の調査を求め、検討会でも追加調査されたと聞いています。厚生労働省は、個人の労災補償にとどまらず、過酷な被曝労働の実態およびそれがもたらされた原因を明らかにし、全国の被曝労働者の健康被害を防ぐための措置をとるよう事業者に指示することが求められています。
喜友名さんの悪性リンパ腫労災認定の特徴として、?長尾光明さんの多発性骨髄腫労災認定に続いて、白血病類縁疾患が労災認定されたこと、?労基署はりん伺せずに不支給決定したが、不服申し立ての中で支援者から問題を指摘され、本省協議(5回の検討会)を経て「自庁取り消し」となったこと、が挙げられます。
原発被曝労働者の労災申請に対して今回のような労基署の独善的な扱いが繰り返されてはなりません。
至急に、上記の2点を明示して喜友名さんの悪性リンパ腫労災認定とその経過を各地の労働局・労基署に伝え、今後の労災認定業務に反映することが求められています。
既に長尾さんの多発性骨髄腫労災認定の時、例示疾患に白血病類縁疾患を加えるべきことが指摘され、厚生労働省も検討を表明していたにもかかわらず今日まで放置されてきたことも背景として挙げられます。労災申請から3年、審査請求から2年、当事者の多大な心労と労力に対して、厚生労働省、労働局、労基署は謝罪すべきです。
原発被曝労働者の実情を知り、労災申請に親身に応じてくれる労基署は限られているのが現状です。労災申請を行いやすい環境を整えることが必要です。厚生労働省、労働局、労基署がその実現に取り組むことが求められています。
既に長尾さんの多発性骨髄腫労災認定の時、例示疾患に白血病類縁疾患を加えるべきとの要請に、厚生労働省も検討を表明していました。厚生労働省は、私たちの度重る要請に対して、例示疾患に白血病類縁疾患を加えることについて今年度内の検討会開催を約束されています。
今回の検討会報告は、悪性リンパ腫(特に非ホジキンリンパ腫)は白血病類縁疾患とみなすことができ、基発第810号の白血病の認定の基準として定められている放射線被ばく線量を参考として、判断を行うことが適当と考えられると、具体的な判断基準を示しています。改めて、認定基準の例示疾患に白血病類縁疾患の多発性骨髄腫、悪性リンパ腫を加えるべきことがはっきりしました。
喜友名さんの悪性リンパ腫労災認定問題を通して、被曝労働が危険な業務であることが改めて浮き彫りになりました。喜友名さんは氷山の一角であり、30万規模の原発被曝労働者がいます。被曝線量限度以下の被曝線量でも被害が出ます。放射線業務従事者には健康管理手帳が交付されていません。放射線被曝業務を健康管理手帳交付業務に指定し、離職後の無償の健康診断など健康管理が行われることが求められています。
申し入れ事項
1.喜友名さんの悪性リンパ腫労災認定とその経過を各地の労働局・労基署に伝えること。
その際、?2004年の長尾光明さんの多発性骨髄腫に続き、白血病類縁疾患の悪性リンパ腫を労災認定したこと、?労基署はりん伺せずに不支給決定したが、不服申し立ての中で支援者から問題を指摘され、本省協議(5回の検討会)を経て「自庁取り消し」となったこと、を明示すること。
2.原発被曝労働者の労災申請に対して、今回のような労基署の独善的な扱いが繰り返されないよう通知・徹底すること。
3.今回の「りん伺なしの不支給決定」が行われた経過とその責任を明らかにすること。
4.申請から3年、審査請求から2年、多大な心労と労力に対して当事者に謝罪すること。
5.原発被曝労働者の実態を把握し、労災申請に親身に応じる等、申請が行いやすい環境を整えること。
6. 喜友名さんの過酷な被曝労働の実態およびそれがもたらされた原因を明らかにし、原発被曝労働者の健康被害を防ぐための措置をとるよう事業者に指示すること。
7.認定基準の例示疾患に白血病類縁疾患を追加すること。
8.離職者に健康管理手帳を発行し、無償の健康診断など、健康管理を行うこと。
9.検討会の検討経過と検討内容を公開すること。