六ヶ所ガラス固化:原子力政策転換議員懇談会の原子力安全・保安院ヒアリング[2008/11/14]【終】
下記日程で、原子力政策転換議員懇談会の原子力安全・保安院ヒアリングが開催されます。たくさんの市民の参加を歓迎いたします。
■日本原燃「ガラス固化体製造試験報告」に関するヒアリング■
日 時:2008年11月14日(金)午後2時~4時
場 所:参議院議議員会館第1会議室
テーマ:
『再処理施設 高レベル廃液ガラス固化設備のガラス溶融炉A系列における安定運転条件に基づく運転性能確認結果報告』と11月4日開催の再処理WGの概要と資料について
出 席:(予定)
原子力政策転換議員懇談会(近藤正道参議院議員ほか)
原子力安全・保安院(金城氏ほか)
■日本原燃の報告書
www.jnfl.co.jp/press/pressj2008/pr081027-1.html
■関連報道
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「東奥日報」2008年10月31日(金)
かくはん作業に移行/ガラス固化
六ケ所再処理工場のガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)製造試験で、日本原燃は三十日、溶融炉内に金属(白金族元素)がたまった可能性があるため、炉の底を金属棒でかき回す「かくはん作業」に入った。二十七日以降、対策の一つである洗浄運転(ガラスを追加投入して白金族を薄め、押し流す作業)を続けてきたが、状況が改善しないという。
白金族の炉底への堆積(たいせき)は、昨年十一月からの最初の固化試験でも発生。同様にかくはんなどを行ったが、試験中断に追い込まれた経緯がある。現行の固化方式では白金族の沈降は避けられないため、いかに堆積を防ぐかが試験の焦点となっている。
原燃は二十三日から、初めて不溶解残さ(使用済み核燃料の溶解で溶け残った白金族など)を廃液に混ぜて固化体を製造。五本目をつくった段階で白金族堆積の可能性を示す指標が出たため、洗浄運転に入っていた。
二十七日には「溶融炉の安定した運転を維持できるのを確かめた」と国に報告したが、原子力安全・保安院は「不溶解残さを混ぜた場合の適切な運転条件などが示されておらず、中途半端だ」などと批判していた。
保安院核燃料サイクル規制課の石井康彦課長は「かくはん作業の結果なども、試験を評価する上で不可欠」と指摘。試験結果を判断する総合資源エネルギー調査会の小委員会の開催には、原燃の追加報告が必要?との認識を示している。
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「東奥日報」2008年10月27日(月)
ガラス固化試験順調/六ケ所再処理工場
六ケ所再処理工場のガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)製造試験が再開してから、半月がたった。日本原燃は二十六日夕方までに、二十六本の容器へ溶融ガラスを流し込んだ。この間、溶融炉に金属(白金族元素)がたまることを防ぐ「洗浄運転」を行って効果を確認するなど、試験は順調に進んでいる。原燃は近く、運転中のA系溶融炉の試験結果を国に報告する予定だ。
再処理工場のアクティブ試験(試運転)は、使用済み核燃料のせん断が今月終わり、ほぼガラス固化工程の確認を残すのみとなっているため、年内の終了(完工)実現も視野に入ってきた。
固化試験は十日、約三カ月ぶりに再開。一日約二本のペースで、ガラス固化体の製造を続けている。
試験は、廃液に含まれる白金族の炉底への沈殿をいかに防ぐかが焦点となっている。ガラスの粘り気が増し、最後には流れ落ちなくなる恐れがあるためだ。原燃は(1)廃液に調整液を加える(2)流下速度が落ちた場合は洗浄運転を行う?などの改善策を導入。これまでのところ顕著な白金族の影響は出ておらず、原燃は「試験はおおむね順調」と自信を深めている。
また、七月の試験中断の原因になった流下ノズルの不具合もみられないという。
A系炉の試験報告が原燃から出た場合、国の原子力安全・保安院は、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の再処理ワーキンググループと核燃料サイクル安全小委員会を開き、専門家の意見を聞くことにしている。妥当と評価されれば、もう一つあるB系炉での試験を認める方針だ。B系での製造が良好に進み、国の使用前検査に合格すれば、昨年十一月から続けてきた固化試験は、ようやく終了となる。
ただ、国が運転方法の十分な確認を求めていることや、評価に時間がかかる可能性もあるため、原燃が予定する十一月中の試運転終了は微妙な状況だ。
保安院核燃料サイクル規制課の石井康彦課長は「ポイントは『安定した運転状態を保てるか』と『白金族を管理できているか』だ。きちんと行えていることを原燃が説明できれば、(審議は)すんなり進むのではないか」と話している。
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