韓国の古里原発1号機の廃炉と大統領の脱原発宣言

韓国の古里原発1号機の廃炉と大統領の脱原発宣言

韓国の古里原発1号機が6月19日に稼働を停止した。韓国発の商業用原子炉で1977年6月19日に運転を開始してちょうど40年。2015年6月に産業通商資源部が永久停止を韓国水力原子力(韓水原)に勧告し、韓水原は寿命延長を申請しないことを決め、2017年6月9日に原子力安全委員会が「古里1号機永久停止運営変更許可案」を決議した。19日、古里原発1号機の前で華やかにおこなわれた永久停止宣言式の文在寅(ムンジェイン)大統領演説の内容は、稼働停止だけにとどまらなかった。原子力中心の発電政策をやめ、脱原発社会に進んでいく考えであり、持続可能な環境や成長を追求して、国民の安全を最優先にしたクリーンエネルギーの時代にすることこそ、韓国のエネルギー政策が追求する目標だと述べた。2016年の慶州(キョンジュ)での大きな地震、そして東電福島原発事故にも触れ、事故が原因で亡くなった方が多くいることや多額の事故処理費用にも言及。原発は安全、安価ではないと指摘した。

 
脱原発に必要な対策として、新規原発の白紙化、寿命延長の禁止、月城(ウォルソン)原発1号機廃止、脱原発ロードマップ作成、などを挙げる。その中に、新古里原発5,6号機について‘社会的合意形成’をしていくとあるが、韓国の脱原発に取り組む団体は、‘建設中止’を明確にしなかった点を惜しむ。しかし、政策公約の大半が盛り込まれ、永久停止の日に脱原発宣言をしたことは大きな意味や影響力があリ、今後、政策公約や協定が守られていくことを期待すると歓迎。達成のために彼らも尽力するとしている。