プルサーマル燃料輸送に抗議のアピール

 報道によれば、プルサーマル燃料を積んだ2雙の船が6日午前1時頃(日本時間)フランスを出向した。この輸送に先立ち、原子力資料情報室は、グリーンピース・ジャパン、グリーン・アクションの三団体の連名で海外向けにアピールを発表し、「プルトニウム利用計画が経済性も安全性もなく、かえって日本のエネルギー計画を阻害し、核拡散を促す。日本はプルサーマル燃料の輸送を止め、沿線ルート国にリスクを与えるような行為を止めるべき」ことを訴えた。
www.greenaction-japan.org/internal/090305_appeal.pdf

 これまで2回、プルサーマル燃料輸送がありましたが、これらの燃料は使用されていない。関西電力の分は燃料の品質保証データの偽造から返還され、東京電力の分はトラブル隠し発覚などで事前了解が白紙になっているからだ。今回の輸送は、九州電力、四国電力、中部電力の分で、燃料集合体として65体。輸送容器は9基、輸送されるプルトニウム量はおよそ1.7トン、過去最大のプルトニウム輸送となる。
 過去の経験から輸送ルートは喜望峰を回り、オーストラリアの南側を通り、タスマン海峡を北上するルートの可能性が高い。ざっと10000km、地球の3分の2を航行することになる。輸送規則に合致しているというが、規則はこのような輸送を想定して作られておらず、激しい火災や沈没など不測の事態に対応できるようにはなっていない。
 
 高速増殖炉を目標とした原子力開発が破綻した結果、このような輸送が行なわれるのだが、政策そのものの見直しこそ、求められていることである。