ブルーベリー製品から規制値を超える汚染

『原子力資料情報室通信』431号(2010/5/1)より

ブルーベリー製品から規制値を超える汚染

 昨年8月、ブルーベリー果汁から490ベクレル/リットルのセシウム137が検出され、積戻しされていたことを、『非核ネットワーク通信』138号(2010.3.31発行)で知った。
 小金井市議で小金井市放射能測定器運営連絡協議会のメンバーでもある漢人(かんど)明子さんが「再来! 食卓のチェルノブイリ ブルーベリーの放射能汚染」を報告している。
 チェルノブイリ事故後、日本各地に市民が行動することでさまざまなかたちの「放射能測定室」が誕生したが、測定器に寿命がきて買い換える経済的基盤がなかったり、自治体から継続する予算が取れずにやむをえず閉鎖したところもある。
 小金井市では1990年に測定器を導入して以来20年間、市民による測定が実施されている。放射能測定器運営連絡協議会では、毎年約80件の測定をして、『はがきニュース 放射能ってどんな味?』などで広報活動をしている。
 2008年4月から09年3月の測定では、ブルーベリー製品(ワイン、ジャム、砂糖煮など)24検体を測定した結果、12検体から10ベクレルを超えるセシウム(最高52ベクレル)が検出された。今年に入って購入したブルーベリーコンポート2検体からも100ベクレルを超えたという。
 昨年12月、東京都が実施している市場での抜き取り検査でも、ブルーベリージャムから500ベクレルが検出され、横浜の輸入業者が市内、東京、青森、石川のスーパーから356個の製品の回収を命じられたという。
 国の輸入規制の基準値370ベクレル/kg、リットルを大きく上回る製品が、検査をすり抜け、市場に出回っている。これらの事実は、いっさい報道されなかった。20年間、コツコツ測定作業を重ねてきた市民グループが知らせてくれた貴重な情報だ。

(渡辺美紀子)


原子力資料情報室調べ(厚生労働省の資料を元に作成)

※ブックレット『チェルノブイリ原発事故 ― 25年のメッセージ』p.40で数値が輸入数量欄に入っていますが、数値は放射能濃度(ベクレル/kg)の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

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