被爆労働: 梅田さんの申し立てに対する聴取

4/28に非公開で第4回「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」が開催される
www.mhlw.go.jp/shingi/2010/04/s0428-2.html


『原子力資料情報室通信』431号(2010/5/1)より

梅田さんの申し立てに対する聴取など、4月21日福岡にて
「梅田さんに関する追加要請書」と「原発労働に関する追加質問書」に文書回答

 「梅田隆亮さんの労災申請の業務上外の検討に関する追加要請書」と「原発被曝労働者の労災申請・認定状況に関する追加質問書」(ともに本誌前号参照)に対する文書回答が3月26日、服部良一衆議院議員事務所を経由して私たちの元に届いた。
 梅田さんの労災申請に関する追加要請書については、「各要請事項の内容は、個別事案の認定に関するものであるため回答することは差し控えさせていただく。なお、一般論で申し上げれば、労災請求のあった事案の処理に当たっては、請求人の申し立ての聴取はもちろん、事業場、その他関係機関から必要な資料を収集した上で的確な事実認定を行い、その認定事実に基づき業務と疾病との間の医学的な因果関係について判断を行っているところである」という回答であった。
 梅田さんによると、松江労働基準監督署が4月21日、福岡局に出向き、梅田さんが2月8日に厚労省に対して行なった申し立てについての聴取と、梅田さんが働いた現場について、労基署が収集した資料についての確認を行なう予定になっているそうだ。
 梅田さんは、狭心症を防ぐための手術などで入退院を繰り返す毎日を過ごされている。1979年に島根原発と敦賀原発で働いてから次々と現れた健康障害の事実を思い起こして、労基署の聴取に応じたい、そして一刻も早く労災認定を勝ち取りたいと述べている。

 追加質問については、「ご質問の中に示された平成20年度の各労働局別の請求件数及び支給決定件数の件数はそれぞれ正しいものである。ただし、それらの件数には原子力発電所での作業に従事していた者以外の者が含まれている。」
 3の平成19年度までの労災申請の件数については、「平成19年度以前の請求件数は把握していない。支給決定については、平成16年度において東京局1件及び大阪局1件であり、平成20年は大阪局1件。また、昭和51年度から平成15年までの間の支給決定件数の総数は45件であるが、局別の件数については、保存期間満了により関係資料が廃棄されているため不明である」
 4については、「平成21年度に開催した「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」でこれまでに検討した事案は、北海道局2件、福井局1件、兵庫局1件、島根局1件及び福岡局1件である」
 5については、「平成15年度以降の検討会の開催事案については、平成15年度に福島局1件、平成18年度に福島局2件、平成20年度に大阪局1件である。なお、平成14年度以前の検討会の開催事案については、保存期間満了により関係資料が廃棄されているため、不明である」
 6の平成20年度の労災申請について、疾病とその件数については、「悪性リンパ腫4件、心筋梗塞1件である」
 回答の不明な点などについては、改めて追及したい。さらに情報公開を求め、原発労働者の労働災害の実態を明らかにしたい。

(渡辺美紀子)

原子力資料情報室通信とNuke Info Tokyo 原子力資料情報室は、原子力に依存しない社会の実現をめざしてつくられた非営利の調査研究機関です。産業界とは独立した立場から、原子力に関する各種資料の収集や調査研究などを行なっています。
毎年の総会で議決に加わっていただく正会員の方々や、活動の支援をしてくださる賛助会員の方々の会費などに支えられて私たちは活動しています。
どちらの方にも、原子力資料情報室通信(月刊)とパンフレットを発行のつどお届けしています。