新装版 チェルノブイリ原発事故
概要
史上最悪のチェルノブイリ原発事故を、どう受けとめ、そこからどんな教訓を引き出すべきなのか。
※本書は『チェルノブイリ』(七つ森書館、1986年)と『チェルノブイリ月誌』(反原発運動全国連絡会、1988年)を合わせて、1冊としました。
※本書は『チェルノブイリ』(七つ森書館、1986年)と『チェルノブイリ月誌』(反原発運動全国連絡会、1988年)を合わせて、1冊としました。
追加情報
まえがき[チェルノブイリ ─ 最後の警告]
チェルノブイリ原発の事故は、いうまでもなく史上最大にして最悪であり、しかもその汚染の影響は、いままさに進行中です。
“原発大国”日本に生きる人間として、私たちはこの事故をどう受けとめ、そこからどんな教訓をひき出すべきなのか。そういう問題意識から、事故以来約半年の間──私にとっても未曽有の経験の日々でした──私は考え、書き、発言してきました。それをまとめて収録し、一冊の書としたのが、この本です(第Ⅱ章1だけは二年前に執筆)。
書き下しではないので、重複もあり、また明らかに異なる読者対象に向けられた文章を含みます。今となってみると当時の私の推測が適切でなかった部分もあります。しかし、読みやすさのための多少の加筆訂正を施した以外は、ほとんど最初書かれたままを再録しています。その方が、私の感じたままをリアルに伝えられると考えたからです。
本書はもちろん一般の読者のためのものですが、やや技術的な問題に入ったところもあります(第Ⅰ章の4、第Ⅱ章の1、2など)。この種の本を初めて読む方は、これらをまずとばして読み、できうれば後からそれらの部分にも目を通していただければ幸いです。
事故後のあの強烈な衝撃も薄れつつある日々ですが、日本に三三基の稼働原発をかかえ、世界で四〇〇近い原発が運転されている以上、チェルノブイリで起こったことは、常に生々しく私たちの脳裡にとどめておかねばなりません。そのために本書がひとつの役割を果たしてくれれば、というのが私の願いです。
高木仁三郎 一九八六年一一月
もくじ
【チェルノブイリ ― 最後の警告】
まえがき
序 章
衝 撃
第1章 チェルノブイリでなにが起きたか
1 チェルノブイリ原発事故の意味するもの
2 もうひとつの核としてのチェルノブイリ
3 われわれの日常を衝いた放射能
4 日本の原発でも事故は起こりうる ― ソ連報告書を読んで
第2章 原発事故を考える
1 スリーマイル島原発事故が葬り去った安全神話
2 原発事故はなぜ起こるのか
3 チェルノブイリと下北計画
第3章 ポスト・チェルノブイリに向けて
1 チェルノブイリ事故に想う
2 ポスト・チェルノブイリをどう生きるか
3 チェルノブイリ原発事故の波紋
4 核文明と自然としての人間
終 章
終わりの始まり ― ウィーンにて
資料・原発廃棄に向けて世界は動き出す
【チェルノブイリ月誌】
しのび寄るチェルノブイリの冬
二つの岐れ道
トルコを案ずる
事故から一年の食品汚染
「原因不明症候群」の大流行
ソ連内でいま何が……
早くも出た食品規制値緩和の動き
裁かれるべきは誰だったか
世界中にひろがる食品汚染
チェルノブイリは近い
生きる権利としての反原発
事故二周年にあたって ― チェルノブイリは続く
おわりに
版元から一言
まえがき
序 章
衝 撃
第1章 チェルノブイリでなにが起きたか
1 チェルノブイリ原発事故の意味するもの
2 もうひとつの核としてのチェルノブイリ
3 われわれの日常を衝いた放射能
4 日本の原発でも事故は起こりうる ― ソ連報告書を読んで
第2章 原発事故を考える
1 スリーマイル島原発事故が葬り去った安全神話
2 原発事故はなぜ起こるのか
3 チェルノブイリと下北計画
第3章 ポスト・チェルノブイリに向けて
1 チェルノブイリ事故に想う
2 ポスト・チェルノブイリをどう生きるか
3 チェルノブイリ原発事故の波紋
4 核文明と自然としての人間
終 章
終わりの始まり ― ウィーンにて
資料・原発廃棄に向けて世界は動き出す
【チェルノブイリ月誌】
しのび寄るチェルノブイリの冬
二つの岐れ道
トルコを案ずる
事故から一年の食品汚染
「原因不明症候群」の大流行
ソ連内でいま何が……
早くも出た食品規制値緩和の動き
裁かれるべきは誰だったか
世界中にひろがる食品汚染
チェルノブイリは近い
生きる権利としての反原発
事故二周年にあたって ― チェルノブイリは続く
おわりに
版元から一言