2016/06/14

6/14 原子力資料情報室第91回公開研究会/もっかい事故調公開セミナー 原子力発電所とテロ  ―ドイツでは(仮題)

●日時:2016年 6月14日(火) 18:00-20:30

●場所:岩波書店セミナールーム (岩波アネックス3F)

   東京都千代田区 神田神保町2丁目3 資料代:1000円 逐次通訳付き

●お話 クリストフ・ピストナーさん ドイツ・エコ研究所(原子炉安全部門)

ドイツ・ダルムシュタット工科大で物理学の博士号 を取得。「科学・技術とセキュリティ(IANUS)」 グループの研究員として核問題を研究したのち、 2005年3月から環境シンクタンクのエコ研究所 (http://www.oeko.de)の原子力工学・施設安全 部門に所属。原子力発電の規制基準、欧州連合 ストレステスト、システム分析に関する問題に 詳しい。ドイツ連邦政府環境自然保護建設原子炉 安全省のもとにある原子炉安全委員会の委員をつとめている。

 

 原子力発電所にとって、テロ(人為的破壊行為)は、地震とならぶ最大級の外的脅威です。単に発電設備が破壊されるだけでなく、破局的な放射能放出事故を引き起こし、社会に大きな混乱をもたらします。

 原発のテロ対策はどうなっているのか?

 航空機の衝突に原発は耐えられるのか?

 インターネット上のクラッカーによるサイバーテロの危険性はどうか?

 ドイツでは、設計基準として原子炉建屋への航空機の衝突を条件として課しており、ファントム戦闘機を想定しています(重量20トン、速度215m/s)。また、福島第一原発事故後に実施されたストレステストにおいては、中型・大型の旅客機の衝突に対する原子炉建屋の評価、テロリストによる軍事攻撃、サイバーテロについても検討をおこない結果を公表しています。

 一方、日本の規制基準では、「特定重大事故等対処施設」(緊急時制御室や電源設備などを含む)に対して「故意による大型航空機の衝突に対して頑健な建屋」であることを求めてはいますが、肝心の原子炉建屋や格納容器に対してはそれを要求していません。また、航空機の衝突に関する審査についてはまったく情報が公開されておらず、どういうふうに検討がすすめられたのか、何が検討され何が検討されていないのかが明らかになっていません。

 ドイツでの原発とテロをめぐる現状をピストナーさんからうかがい、日本ではどうすればいいのか考えたいと思います。

●主催:原子力資料情報室+もっかい事故調

●協力:岩波書店「科学」編集部

●問い合わせ:原子力資料情報室 03-3357-3800 (事前の参加登録は必要ありません)