2011/06/17

6/17 厚生労働省や経済産業省、保安院と被ばく労働に関する交渉

※要請書の項目を1項目追加しました。要請書はご参加の方、各自でプリントし、ご持参ください。

厚生労働省や経済産業省、保安院と被ばく労働に関する交渉を実施します。
ぜひ、ご参加ください。

日時:2011年6月17日(金)14時から

    13時30分頃から第2議員会館入り口にて通行章をお渡しします。

場所:衆議院第2議員会館 多目的会議室
   http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm

参加:参加制限はありません。

主催:原子力資料情報室 
ヒバク反対キャンペーン 
全国労働安全衛生センター連絡会議

問い合せ:全国労働安全衛生センター連絡会議 
       澤田(090-6668-9116)


要請書
(当日は本要請書にしたがって交渉を実施します。各自でご持参ください)
www.evernote.com/pub/sawadyi/hibakuroudou#b=4776e832-dc1b-4ba7-bcf6-d38b648edfa5&n=8e629ff0-ac27-4a2b-9941-fe1160033d23

2011年6月8日

厚生労働省
厚労大臣 細川律夫 殿
経済産業省
経産大臣 海江田万里 殿

原子力資料情報室
ヒバク反対キャンペーン
全国労働安全衛生センター連絡会議

福島第一原発で働く労働者の安全衛生に関する要請(案)

 日頃の厚生労働行政の推進に尽力され心より敬意を表します。私たちは、毎年、厚生労働省とのあいだで労働安全衛生、労災補償行政に関する話し合いを持ってきました。
 5月16日、緊迫する福島第一原子力事故による労働者の放射線被ばくに関する要請に関し、厚労省担当者との話し合いを行いました。
 5月16日の話し合いを踏まえ、その時に厚労省担当者が検討課題と回答された継続事項及び福島第一原発事故後の状況変化に対応する新規の要請について下記にまとめました。
 つきましては、ご回答いただきたくお願い申し上げます。

1.50mSv/1年の線量限度の上限撤廃
2011年4月28日の「緊急作業に従事した労働者のその後の緊急作業以外の放射線業務による線量に係る指導について」(基発0428第1号)により、厚労省は電離則を改正せず、福島第一原発で緊急作業に従事した労働者については、50mSv/1年を超えても指導を行わず、100mSv/5年を超えないように指導することにした。これは電離則に規定された50mSv/1年の線量限度の上限を事実上撤廃するものである。
 5月16日の話し合いにおいて、この措置は緊急作業の被ばく線量限度を100mSvから250mSvに引き上げた措置にともなうものとされた。まずこれが意味不明である。100mSvを超えれば、5年間は被ばく労働ができないからである。
 しかし、保安院との折衝により緊急作業に従事した労働者はその後50mSv/1年の被ばく線量限度を撤廃することにした経緯と根拠について説明を求めたところ、経産省との省庁間協議、経産大臣と厚生労働大臣の大臣折衝によるものとのことであった。ついては、再度経産省、保安院と協議し、今回の措置の根拠となった放射線被ばくと労働者の健康管理に関するシミュレーション内容について具体的に説明すること。

2.緊急作業の判断基準
 ICRP07年勧告、IAEAの「電離放射線に対する防護及び放射線源の安全のための国際基本安全基準」(BSS)では、救命活動、緊急救助活動、重篤な確定的影響の防護のための活動、壊滅的状況への発展を防止するための活動など、緊急作業についての定義があるが、今回の250mSvへの被ばく限度引き上げの対象となる「緊急作業」の定義はどのようなものか。具体的にどのような作業が緊急作業にあたるのか判断基準を明らかにされたい。

3.監督官、労働衛生専門官等による立ち入り調査と監督
 福島第一原発内に労働基準監督官、労働衛生専門官が立ち入り調査・監督を行い、原発労働者の被ばく労働の低減、健康管理、労働基準法違反等について指導・監督を行うこと。また、監督官の現場駐在体制を確立すること。同第二原発、女川原発に対しても同様の対応をすること。

4.労働者への労働安全衛生教育の拡充
 内部被曝の徹底防止のための防護具の改善と適正な防護具装着の確保、福島第一原発労働者への労働安全衛生教育を徹底するとともに、将来にわたる健康リスク管理と健康障害が起きたときの補償制度についても教育内容に含めること。

5.被ばく線量の管理と健康管理制度
 福島第一原発の労働者の放射線被ばく量を厚労省が直ちに把握できるように管理し、個別の指導・監督ができるようにすること。また個人別の放射線被ばく量のデーターベースを構築し、労働安全衛生法令に基づく健康管理手帳による健康管理制度を構築すること。
 5月30日、東京電力は2名の労働者が250mSvを超えて被ばくした可能性があると発表した。外部被ばく線量だけでなく、内部被ばく線量を測定するホールボディカウンターによるチェックを徹底し、適正な実効線量の放射線被ばく管理を行うよう指導を徹底すること。この件についての、東京電力からの報告資料についてすべて明らかにすること。現時点までの被ばく実績の詳細、集団線量、内部被曝評価を含んだ被ばく線量再評価実績について、東電社員、協力会社別に情報公開すること。
 今後、ホールボディカウンターの他サイトから福島への集中および増産を図ること。エアラインマスクも充実させること。さらに、内部被ばくを客観的に把握する目的で労働者の尿、大便中の放射性物質を定性、定量すること。

6.作業員の健康管理
 福島第一原発で作業する労働者の熱中症、メンタルヘルス、過重労働による健康障害防止のため、事業場の安全衛生管理体制を確立すること。具体的には労働者数に応じた専任の産業医、安全衛生管理者などを確保し、診療所を併設するこ
と。さらに、法に基づき退職の自由、年次有給休暇を取得でき宿舎の外へ出ての家族の安否確認や心身の休養をとることができることの周知を徹底すること。
 また、作業環境測定が多面的にできる体制を敷き、放射線のみでなく、温度、湿度、気流、粉塵、その他有害な化学物質の測定をすること。

7.緊急作業に従事する作業員の増員
 福島第一原発での緊急作業に従事する作業員が不足することを懸念し、厚労省は経産省に新たに作業員を養成する仕組みを養成するため、原子力安全・保安院に厚労省労働基準局長が申し入れを行ったとされている。緊急作業に従事する作業員が不足する可能性があることを理由に、全く放射線業務の経験のない労働者を短期間に養成し、福島第一原発での緊急作業に従事させては、新たな放射線被ばく災害を拡大しかねない。こうした安易な方法で福島第一原発の緊急作業に従事する作業員の増員をしないこと。
 なお、この件に関する経産省・保安院との協議資料のすべてを明らかにすること。また、現状に対処するために行われている、他の施設、地域からの人員派遣対策の詳細について明らかにすること。

8.東電と関電工に対する労働安全衛生法に違反するとして是正勧告
 東京電力福島第一原子力発電所で、ずさんな放射線量管理のために厚生労働省は東電と関電工に対し、労働安全衛生法に違反するとして30日付けで是正勧告を出したと発表している。是正勧告をした文書を提示すること。

9.東京電力への指導と報告内容
 厚生労働省は福島第一原発3、4号機の中央制御室で働いていた運転員の全身被ばく量が、緊急時の限度となる250ミリシーベルトを超えていた問題を受け、6月7日に発電所に立ち入り調査を行なった。厚生労働省は東京電力に対して、発電所の施設で長期間作業をしている全員を対象に被ばく量の精密検査を実施して、今月10日までに結果を報告するよう指導したとされている。「指導」の詳細と東京電力からの報告内容を明らかにすること。

以上