美浜3号の交換配管接続ミスを番号改竄で隠蔽

美浜3号の交換配管接続ミスを番号改竄で隠蔽

 配管破断事故を起こした関西電力美浜3号炉では原子力安全・保安院による技術基準適合命令のもと、当該配管の交換工事が進められていたが、三菱重工高砂製作所(日本アーム移管前は関電の原発の配管検査も担当していた)が今年2月に交換用配管をつなぎ間違えたうえ、製造番号を改竄することで糊塗していたことが11月になって判明した。関電はこの事実を認識して接続し直させたが、公にしないまま運転再開への手続きを進め、保安院も技術基準に適合という判断を下すところだった。またこの交換配管をめぐっては、肉厚測定結果が関電と国とで有意に食い違っていたため保安院は調査を指示した。
 一方、美浜3号事故へと至る経緯に関する保安院の11月の説明によると、2004年7月上旬に発見された大飯1号の減肉を受けて、7月23日に関電本店から若狭支社に、また同30日に若狭支社から各発電所サイトに、検査漏れをチェックする指示文書が発出されたという。しかし7月中旬ないしそれ以前に美浜発電所機械保修課は事故箇所の未検査を認識していたという情報もあり(本誌375号短信)、事実関係の全貌はまだ公になっていない。
 これら「事業者の自律的保守管理」の実態に照らしても、美浜3号事故を逆手にとって新しい検査制度への移行を正当化することなどできない。

『原子力資料情報室通信』378号(2005.12.1)短信
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