福島県民健康調査などで確認されている小児甲状腺がん

『原子力資料情報室通信』第585号(2023/3/1)より

震災時、福島県に住んでいた子ども(1992年4月2 日~2012年4月1日生)を対象に福島県は甲状腺検査を実施している。その結果を表にまとめた。調査で甲状腺がんが確認された子どもは295人(良性結節の1人を除く)、これ以外に、がん登録で把握された集計外の患者が43人確認されているため、事故当時、福島県内に居住していた18歳以下の子どもの甲状腺がん悪性・悪性疑いは338人となった。なお、25歳 時検査の受診率が低い。調査では子どもの甲状腺がんが通常より数十倍の割合で見つかっている。

 

福島県民健康調査での小児甲状腺がん発症件数の推移

 

                                        (松久保 肇)

 

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