2013/05/20

5/20 原子力市民委員会核廃棄物部会公開研究会 再処理と核不拡散 ―使用済み燃料乾式中間貯蔵と余剰プルトニウムを考える― フランク・フォンヒッペル、マイケル・シュナイダー講演会

原子力市民委員会核廃棄物部会公開研究会

再処理と核不拡散― 使用済み燃料乾式中間貯蔵と余剰プルトニウムを考える―

フランク・フォンヒッペルマイケル・シュナイダー講演会

●日時:5月20日(月)18 時30 分~20 時30 分

●場所:連合会館201号室(旧総評会館)

●資料代:1,000円

●主催:原子力市民委員会

●共催:原水爆禁止日本国民会議

●プログラム

18:30 開会
18:35 フランク・フォンヒッペル氏講演 『使用済み燃料の中間貯蔵問題』
19:05 <意見交換>
19:25 マイケル・シュナイダー氏講演 『フランスの原子力政策と余剰プルトニウム、日本への影響』
19:45 フォンヒッペル氏からのコメント 『プルトニウム処分の技術的側面』
19:55 <意見交換>
20:30 閉会

●趣旨

 原子力市民委員会(CCNE)は、脱原発社会構築に向けた政策提言を行う市民シンクタンクを目指し、2013 年4 月に設立されました。この度、日本における核廃棄物に関わる政策検討の一環として、委員会の「核廃棄物部会」の企画による公開研究会(講演会)を開催します。
 フランク・フォンヒッペル氏とマイケル・シュナイダー氏は、「国際核分裂性物質パネル(International Panel on Fissile Materials:IPFM)」の共同議長及びメンバーとして、核不拡散の観点から、核分裂物質の低減を追求し、再処理政策からの撤退と、これに伴う対応策を国際的に提言しています。
 今回の講演内容の一つは、「使用済み燃料の乾式貯蔵問題」です。再処理の推進派は、原子力発電所のプールが満杯になってきているから、六ヶ所再処理工場の運転を開始しなければならないと主張します。両氏は、プール貯蔵よりも安全な「乾式貯蔵」への早急な移行を、代替案として唱えています。原子力委員会は、昨年、使用済み燃料の直接処分の研究の必要性を再提言しました。長期的な貯蔵方法としては、乾式貯蔵が有効とされています。フォンヒッペル氏からは、使用済み燃料の乾式貯蔵方式について、技術面や経済面から話を伺います。
 もう一つの内容は、「余剰プルトニウム」への対応です。フランスの原子力依存度低減策では、MOX燃料を消費できる原子炉が閉鎖されていきます。フランスは、自国の所有するプルトニウムの消費だけでやっとという状態です。そうすると、日本のプルトニウムをフランスでMOX利用する可能性はなくなります。現在、英仏にある日本のプルトニウム約34 トンをどうすればいいのか。フランスの政策転換の意味について、シュナイダー氏からお聞きします。そして、フォンヒッペル氏には、プルトニウム処分の技術的側面についてお聞きします。
 お二人の提言は、核廃棄物という問題に取り組むうえでの有益な示唆を与えてくれることと思います。多くの皆さまのご参加をお待ちしています。


●講演者略歴

フランク・フォンヒッペル氏(Frank von Hippel)

プリンストン大学公共・国際問題教授(核物理学者)。「国際核分裂性物質パネル(IPFM)」共同議長。1993─94 年、ホワイトハウス「科学・技術政策局」国家安全保障担当次官。ロシアの核兵器物質セキュリティー強化のための米ロ協調プログラム策定。2005 年、米国物理学会(APS)公共問題パネル議長。2010 年、レオ・ジラード賞受賞(核兵器管理、不拡散、原子力、エネルギー効率利用の分野の公共政策啓蒙に関連した優れた活動とリーダーシップを讃えて)。祖父ジェイムズ・フランク氏は、マンハッタン計画の中で日本への無警告使用をすべきでないとする「フランク報告書」(1945 年6 月11 日)を作成したグループの委員長。

マイケル・シュナイダー氏(Mycle Schneider)

Mycle Schneider Consulting (エネルギーと原子力政策に関する独立コンサルタント機関)代表。1983年、WISE-Paris(エネルギー情報調査室)を設立。2003 年まで代表。2009 年8 月、ドイツ連邦環境・自然保護・原子炉安全省の委託研究「世界の原子力産業現状報告–経済性問題に焦点」を担当。1997 年以来、フランス及びドイツの環境省、ベルギーのエネルギー大臣、国際原子力機関(IAEA)、グリーンピース、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)、WWF、欧州委員会、ヨーロッパ議会の科学技術選択査定パネル、フランスの放射線防護及び原子力安全性研究所(IRSN)等の依頼によって、原子力とエネルギー問題に関する研究・調査報告を提出。1997 年、高木仁三郎氏と共に、「もうひとつのノーベル賞」といわれるライト・ライブリフッド賞(Right Livelihood Award)を受賞。


 

■国際核分裂性物質パネル(IPFM)とは
2006 年1 月に設立された、核兵器国と非核兵器国両方を含む16 カ国の軍備管理・拡散防止問題の専門家からなる独立したグループ。

■原子力市民委員会(CCNE)とは
2011 年3 月の東日本大震災による福島原発事故を受けて、脱原発社会構築のために必要な情報収集、分析および政策提言を行う市民シンクタンクを目指し、2013 年4 月15 日設立されました。委員会のもとに、「福島原発事故部会」「核廃棄物部会」「原発ゼロ行程部会」「原子力規制部会」の4 つの部会を設置し、来年3 月を目処に「脱原子力政策大綱」を策定する予定です。