【原子力資料情報室声明】 福島第二原発の廃炉を歓迎する

 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は7月24日、福島県の内堀雅雄知事を訪問し、福島第二原発1~4号機の廃止に関する検討状況を伝えた。月末の取締役会で正式決定するという。遅きに失したとはいえ、歓迎したい。

 福島県も県内全市町村も、また、県内各層の協力で開催されてきた「原発のない福島を!県民大集会」等々もこぞって求めてきたことであり、廃止を免れる道は、もとよりなかった。それが遅れたのは、それだけ廃止に伴う課題が大きいからである。

 その一つが、1万76体の使用済み燃料の搬出先がないことであり、廃止とともに一時保管施設と称する乾式貯蔵施設の設置が県に申し入れられた。また、事故炉ではないとはいえ、廃止措置により発生する大量の放射性廃棄物(「放射性廃棄物でない廃棄物」と強弁するものもふくむ)の後始末もきわめてやっかいである。

 福島第一原発の抱える途方もない難題に、第二原発の廃止措置という別種の難題が加わることは、そうした状態で柏崎刈羽原発を再稼働させること、その準備をすることの危険性を改めて明瞭にしている。柏崎刈羽原発についても早急に廃止を決定することで、時間をかけて適切な措置が望める。

 賢明な経営判断を求めたい。

2019年7月25日
特定非営利活動法人 原子力資料情報室