ライト・ライブリフッド賞40周年 高木仁三郎前原子力資料情報室代表没後20周年イベント 対談:枝廣淳子さん+辻信一さん

『原子力資料情報室通信』第549号(2020/3/1)より 

  今年はライト・ライブリフッド財団が設立されてから40周年にあたります。日本では1989年に生活クラブ生協連合会が受賞しています。そして、原子力資料情報室の高木仁三郎前代表が受賞したのは1997年のことでした。
 また今年は、高木さんの没後20年になります。
 このような状況の中で、受賞関係団体の原子力資料情報室と高木仁三郎市民科学基金、生活クラブ生協連合会は、実行委員会を立ち上げ、4月25日(土)と26日(日)の両日、日本教育会館で標題のメモリアルイベントを開催することにしました。
 高木さんはフランスのマイケル・シュナイダーと一緒に受賞したのですが、それは世界のプルトニウム利用政策を転換させようと努力したことが認められたからでした。軍事利用はもとより、日仏が積極的に進めている民事利用に対しても廃止を訴え、91年に国際会議を開催し、93年に日本の原子力産業界とシンポジウムを企画し、95年に国際プルトニウム利用総合評価会議(Comprehensive Social Impact Assessment of MOX Use in Light Water Reactors)を組織し、97年に報告書をまとめて公表しました。日本語では『MOX総合評価』として出版されました。
 また、92年11月にフランスから日本へプルトニウム輸送が実施されましたが、日仏のみならず、イギリスやアメリカの運動団体やグリーンピースなどの国際団体とも密に連携し、国際ネットワークのもと沿線ルート国への情報提供等を通して、プルトニウム利用政策の転換を訴えてきました。
 「私たちは、今ようやく、プルトニウム物語の終章を書き始めたのです」と受賞スピーチで高木さんが述べました。
 原子力資料情報室はその後も志を引き継いで活動を続けてきました。プルトニウム利用政策はいよいよ行き詰まってきましたが、まだ政策転換には至っていません。
 受賞団体は、それぞれ追求・実践している具体的課題は異なりますが、最終的に目指すところは同じで、問題解決のためには大量消費・大量生産システムを変革することが必要だと考えています。
 そこでメモリアルイベントでは、「小さなエネルギーで楽しむ豊かな社会の作り方~危機的な世界をどう変えるか~」をタイトルとしました。
 4月25日は、財団からのメッセージ、高木さんの受賞スピーチをはじめ、生活クラブ生協連合会、韓国の経済正義実践市民連合(CCEJ、2003年受賞)からの報告に続いて、枝廣淳子さんと辻信一さんによる実践例を踏まえた対談の後、会場から活発な意見交換を進めます。
 翌26日は、CCEJから経済正義実践のための具体的活動をめぐる提起を受け、公正な民主社会をどう実現し、どのように原発依存社会から脱するかをテーマに、河合弘之弁護士、原子力資料情報室などから報告の後、参加者を交えた意見交換を行いたいと思います。
 福島原発事故から9年、その傷跡は深刻ですが、脱原発社会の実現はなお時間がかかりそうです。世界を見れば、自国の経済成長最優先で、気候危機問題やマイクロプラスティックなどによる海の汚染、化学物質による環境汚染など、取り巻く地球環境は悪化の一途をたどっています。
 これらをどう捉え、どう対応していけるのか、具体的な活動を共有しながら、活発な意見交換をします。皆さまのご参加をよろしくお願いします。