【原子力資料情報室声明】 米国・イスラエルによるイラン攻撃 関係国は今すぐ停戦すべき

米国・イスラエルによるイラン攻撃 関係国は今すぐ停戦すべき


2026年3月5日

NPO法人原子力資料情報室

2月28日、米国とイスラエルはイランからの脅威が迫っていたとして大規模な軍事作戦を開始、イラン国民に対して政権を転覆するよう呼びかけた。

確かにイランは高濃度のウランを製造しており、核兵器製造の懸念がぬぐえない。だが、イランの核開発問題は2015年にイランと米英仏独中露の6カ国が署名したJCPOA(包括的共同行動計画)が一定の成果を見せていた。この枠組みから一方的に離脱したのは第一次トランプ政権(2018年)であった。イランの政治体制に多くの問題があるとしても、外国の武力による政権転覆は明確な内政干渉である。ましてや多くの民間人の犠牲を伴う攻撃など許されるものではない。

米国とともにイランを攻撃するイスラエルは、1960年代に秘密裏に核開発を行った。同国は核保有を否定も認めもしない態度を示しているものの、核不拡散条約も批准せず、核保有は黙認されている。国際社会から実質的な核保有を黙認されている国が、他国の核開発を非難し、武力で阻止しようとするのは明らかな二重基準である。

2025年の米国・イスラエルによるイランの核施設破壊は核不拡散条約の基盤であるIAEAの保障措置枠組みを無視した一方的なものであり、NPT体制を大きく毀損するものだった。今回の両国による攻撃は、国際法に基づく世界秩序をさらに根底から掘り崩す暴挙と言わざるを得ない。

一方、イランが両国からの攻撃開始後、報復として湾岸諸国を攻撃し多くの民間人を犠牲にしていることも、断じて許容されるものではない。これに呼応して周辺諸国もイランへの報復を開始し、とめどない暴力の連鎖が広がっている。地政学的な対立の犠牲となり、最大の苦しみを強いられるのは常に民衆である。

米国、イスラエル、イラン、そして参戦した周辺諸国は今すぐ停戦するべきだ。機能する仲介役が不在の今、日本政府には、長年にわたり中東諸国や米国と築いてきた独自の友好関係を最大限に生かし、一刻も早く対話のテーブルを設けるよう、主体的な外交努力を強く求める。

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