NNAF2008報告

NNAF2008を無事に終えることができました。
みなさまのご協力、ありがとうございました。

NNAF2008の報告

2008.7.16 文責:原子力資料情報室 共同代表 伴英幸

背景と目的

 ノーニュークス・アジアフォーラム(NNAF)は1993年に日本で開催されて以降、台湾、インドネシア、フィリピン、韓国などアジアの各国をめぐって会合を重ねてきた。05年に台湾で第12回目が開催されて以降は中断していた。このたび3年ぶりの開催を日本で行うことになった。
 この背景には、2つの事情がある。ひとつは地震である。昨年7月に起きた中越沖地震はアジア各国に原発の耐震安全性に大きな疑問を投げかけた。原発の耐震安全性について情報を交換し議論を進めるためには日本での開催が合理的である。そこで、中越沖地震の1周年を前に全国集会が地元柏崎市で開催されることから、この集会に参加していくことが可能な6月28日?30日までを開催日として選んだ。
 二つ目には、アジア各国で原子力発電の増設や新設の動きがある。日本や韓国では増設の動きが、インドネシアやタイなどでは新規導入の動きである。これに対抗して、脱原発をすすめる私たちの側も情報を交換しながらネットワークを強化したいとの願いからだ。

準備と体制

 受け入れ側は実行委員会を設置して、幾度か会議を開き、資金集めから期間中の運営を担った。アジア人権基金からの助成や多くの方の寄付などを得て、無事に終えることができた。

日程と参加者

 比較的短い準備期間にも係らず、海外から、タイ6名、インドネシア2名、台湾8名、韓国4名、そしてグリーンピース・インターナショナルならびにグリーンピース・東南アジアから各1名が参加してくれた。

 多くの参加者にとってはハードなスケジュールで、入国した翌28日には、柏崎市で行なわれた全国集会に参加するために、東京からバスに5時間も揺られ、全体集会とデモ、そして夜の交流会と参加、29日には分科会を終えると昼食もそこそこに東京へ戻ることとなった。あいにくの雨で原発を遠くから少し見るだけに留まった。

 28日は、全国集会とデモ、交流会と続いた。交流会ではNNAFのメンバーを紹介し、各国から1名が発言した。翌29日は分科会が行なわれた。ここでは柏崎刈羽原発の抱える諸問題が提案された。やや細かい話になっているので、把握することは少し難しかったと思われる。当初から予想されたので、翌日に補足のレクチャーをしてカバーすることにしていた。いずれ、台湾、韓国、インドネシアなどでより細かい意見交換が行なわれることになるだろう。

 30日に行なわれた各国報告では、各国の状況のなかに、韓国でも、台湾でも、インドネシアの予定地などでも活断層が原発直下もしくは直近を走っていることが報告され、地震や耐震安全上の懸念が共有された。さらに情報交換していくことの意義が確認された。また、インドネシアでは断層に加えて火山の問題も提起された。

 その夜には公開報告会を開催した。短い時間だったが4カ国からの報告を行なった。100名を超える参加者を得て、成功裏に終わった。

 翌1日には原発輸出を認めない旨を経済産業省と外務省に要請し、記者会見を行なった。

成果と今後

 こんなハードスケジュールにも係らず、参加者たちには満足してもらえたようだ。30日後半に行なったネットワーク内の会議では、大きな成果を得ることができた。アジアの国々への原発の輸出(輸入)をスムーズにさせるためにクリーン開発メカニズム(CDM)に原発を組み入れる動きがあることから、これへの対抗として、気候変動防止条約締約国会議の次回会合(11月)においてNNAFとしてのキャンペーンを行うことを決め、台湾のGloria Hsuさんを代表としてキャンペーン体制を整えることとなった。また、原発を導入して用といている国の住民たちにその危険性を知らせるための情報提供などの重要性も話し合われた。タイの人たちは原発を導入している国のNNAFメンバーを招いて交流を進めたい意向が出された。また、次回のNNAF会議については、導入への動きを強めようとしているタイにおいて行なうことを検討することが決まった。

 次回会合は受入国での調整を必要とするが、積極的な方向が示されたことは大きな成果で、その他の決定などを考えると、所期の目的は概ね達成できた。

決算報告

2008.7.16日現在で支払関係が終わりましたので、会計を閉めました。決算は以下の通り。

賛同・カンパどうもありがとうございました。