島根2号炉・中性子検出器の異常と高圧炉心スプレイ系部品の脱落

島根2号炉・中性子検出器の異常と高圧炉心スプレイ系部品の脱落

定期検査入りのために停止後間もない島根2号炉(沸騰水型炉、82万キロワット)で、制御棒10本を引き抜いて「炉心増倍率測定試験」を行なっていたときに、「中性子領域計装異常高」の信号が出て試験が中断され、引き抜かれていた制御棒がすべて自動で全挿入されるという事故が、3月1日に起きた。中性子領域計装は中性子検出器の1つで、起動時および停止時の中性子束の量を監視するためのモニターである。

中国電力によると中性子領域モニターの内部には異常が見つかっておらず、検出器内部の局部的な放電が原因である可能性が高いとの推定を3月7日に示している。同日、2月28日に起きた緊急炉心冷却系起動用原子炉水位計の異常について、中国電力は、水位計が誤動作する可能性のあることをみとめ、運転手順書などに記載すると発表した。

その後3月13日までに、定期検査中に高圧炉心スプレイ系の7つのスプレイノズルで、部品の一部であるデフテクタが脱落しているのが判明した。中国電力によると3月19日までに7つのデフレクタを回収したという。また、スプレイノズルの1つに溶接部分が外れていたことも明らかになっている。