「柏崎刈羽・科学者の会」のニュースレターNo.15を公開しました

「柏崎刈羽・科学者の会」のニュースレターNo.15
特集:柏崎刈羽原発の設置許可を取り消すべきこれだけの理由 

 今号は、柏崎刈羽原発の設置許可取り消しを求める署名を応援する特集号です。
「東京電力・柏崎刈羽原発の『設置許可取り消し』を求める署名」活動を新潟現地の皆さんが一丸となって展開しています。私たち「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」は、この署名活動を支持し、皆様に積極的なご協力を呼びかけます。ぜひご協力をお願いいたします。
(署名用紙と会の呼びかけ文はこちらです。)

 今回の署名運動が始まった発端は、柏崎刈羽原発施設へのID不正入室事件などの度重なる核セキュリティ違反が発覚したことです。原子力規制委員会は、核セキュリティ体制の点検が完了するまで核燃料の移動の禁止を命じ、当面、柏崎刈羽原発の再稼働は不可能になりました。しかし、事の重大さや安全性に関わる今までの東京電力の対応に照らせば、規制委員会は核燃料移動禁止という措置にとどまらず、即刻「設置許可取り消し」を決断すべきです。
 この特集では、設置許可を取り消すべき理由として、目次にありますように、基準地震動が過小評価であること、避難が無理であること、核防護体制が不備であること、立地審査指針を棚上げにするなど安全性が担保されない新規制基準であることなど、多角的視点から論じています。署名活動の参考にしていただければ有難く存じます。
 なお、この署名と同時並行して、新潟県民を対象とした県知事宛の「原発再稼働の是非を県民が決める署名」が進められています。有田純也さんの文(p.17-18)にありますように、県民対象の署名ですが、インターネット上では全国から受け付けています。こちらについてもご協力をお願いします。
  「緊急報告」として「新潟県が二つの小委員会を委員不在の状態に」を掲載しました。
2007年の中越沖地震での柏崎刈羽原発被災をきっかけに生み出された「新潟方式」が危機に瀕しています。特集の各論考とあわせてお読みいただき、新潟での状況を共有し、引き続きご支援・ご協力をお願いする次第です。

      柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会 代表 井野博満

 

「柏崎刈羽・科学者の会」ニュースレターNo,15 目次
特集:柏崎刈羽原発の設置許可を取り消すべきこれだけの理由
  石橋克彦:  柏崎刈羽原子力発電所6・7号機の設置変更許可の根本的問題点
  矢部忠夫:  :避難計画は立てられない                           
  佐々木 寛:  避難委員会での検証から明らかになった根本的な課題 
  中山 均:  一連の「核防護」問題は東電と規制組織の機能不全、
               そして「原発社会」の歪みを明らかにしている
  小倉志郎:  テロ対策は不可能 ~原発はアキレス腱だらけ~
  伊東良徳:  福島原発事故後の安全審査で 本当はすべきだったこと、前提にすべきこと 
  滝谷紘一:  立地審査を棚上げした原子力規制委員会の問題    
  有田純也:  「住民が決める」:進行中の二つの署名と今後の展開
 
  緊急報告
  黒田 光太郎:  新潟県が二つの小委員会を委員不在の状態に 

  

柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会ホームページより

 

原子力資料情報室通信とNuke Info Tokyo 原子力資料情報室は、原子力に依存しない社会の実現をめざしてつくられた非営利の調査研究機関です。産業界とは独立した立場から、原子力に関する各種資料の収集や調査研究などを行なっています。
毎年の総会で議決に加わっていただく正会員の方々や、活動の支援をしてくださる賛助会員の方々の会費などに支えられて私たちは活動しています。
どちらの方にも、原子力資料情報室通信(月刊)とパンフレットを発行のつどお届けしています。