能登半島沖地震:志賀原発の状況

能登半島沖地震:志賀原発
原子炉自動停止の設定値を超える揺れ/使用済み燃料貯蔵プールから冷却水あふれ出す

2007年3月25日午前9時42分ごろ,能登半島沖(北緯37度13.2分,東経136度41.1分)で発生したマグニチュード(Mj)6.9,震源深さ11キロメートルの地震で,志賀原発から12キロメートル(※4月1日訂正)の地点にある防災科学技術研究所K-NETの富来観測点の地表では最大加速度945.4ガル(※2013年5月30日訂正)を観測した.

志賀原発は震央から約18キロメートル(※3月29日訂正)のところにある.志賀1号炉の原子炉建屋地下2階にある地震計では226ガルを観測した,と報じられている.この値は,志賀1号炉の原子炉自動停止の設定値を超えている.警報のありなし,安全系の動作のありなしなどについて,北陸電力は発表していない.

北陸電力は,発電所の建屋内を点検中に,1号炉の原子炉建屋4階で,使用済み燃料貯蔵プールの冷却水がプールの周囲にあふれ出しているのを発見したことをあきらかにした.あふれ出た量は,約45リットルで,その水に含まれている放射能は約750万ベクレルである,と評価している.

■志賀原発の耐震設計に関するデータ

志賀原発の設計用地震動の最大加速度は1・2号炉とも
S1が375Gal,S2が490Galです.

原子炉自動停止の設定値は下記の通りです(志賀原発の保安規定より.単位:Gal).
志賀1 水平190(B2階,-1.6m),鉛直165(B2階,-1.6m),水平505(3階,28.3m)
志賀2 水平185(B2階,0.8m),鉛直165(B2階,0.8m),水平505(4階,32.5m)
(※2号炉の水平設定値が間違っていました.3月29日訂正.)

■関連する情報へのリンク

●気象庁
www.jma.go.jp/jma/index.html

●防災科学研究所の強震ネットワークK-NET
(2007/03/25) 能登半島沖の地震の強震動
www.kyoshin.bosai.go.jp/k-net/topics/Noto_070325_1.htm

●朝日新聞
北陸電の想定マグニチュード上回る 能登半島沖地震
www.asahi.com/special/070325/OSK200703250204.html

●北陸電力
志賀原子力発電所1号機 使用済燃料貯蔵プールからの水飛散について
www.rikuden.co.jp/press/attach/070325001.pdf

停電状況および設備被害状況について(3月25日22時00分現在)
www.rikuden.co.jp/press/attach/07032512.pdf

■4月1日追加
北陸電力は,志賀1号炉で観測された本震の地震データを喪失したと発表した.地震計のメモリーカードの容量が足りず,余震の記録が上書きされたと説明している.
「平成19年能登半島地震に係る志賀原子力発電所の地震動の評価について」
www.rikuden.co.jp/press/attach/07032702.pdf

また,志賀原発で観測された地震の揺れの大きさについては,つぎのように説明している.1号炉の地下2階の値は計測震度4.8で,加速度は239ガル(当初の226ガルを補正).2号炉の地下2階の値は,加速度が264ガル.